Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第19回目のトークテーマはドゥラメンテ。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
今井雅宏(以下、今):ドゥラメンテは変革をもたらすだけの存在だっただけに、早くに亡くなっちゃったのは本当に残念だよね。
亀谷敬正(以下、亀):これから強い馬がどんどん出てくると楽しみにしていただけに余計にですね。タイトルホルダーがかなりのパワー型先行馬で、産駒はそのイメージが強いですが、末脚を伸ばす産駒も増えてくると思うんですよね。ディープインパクトと同じ主流型の血統ですから。
今:スムーズだと爆発的な力を出すという意味で似てるね。ドゥラメンテはどちらかというとS質とL質、つまりパワーと体力を前面に出した競馬で強いけど。そのパワーを後半に持っていけば強烈な末脚型になる。
ただ、ディープは鮮度が高いと器用に馬群を割れるけど、ドゥラメンテはブレーキを掛ける競馬が基本的に合わないよ。その強烈なパワーと引き換えに、不器用さと揉まれ弱さも引き受けているから。差す場合は、ばらける展開とか外差しとかでないと、レースを投げ出すリスクが高くなる。
亀:鮮度を要求される面でも、ドゥラメンテはディープに似てますよ。新馬戦は単勝回収率87%、複勝回収率93%と各クラスで回収率が一番高いです。休み明けも複勝率が3割を超えていて、レース間隔を開けるとよく走ります。
今年の大阪杯でアリーヴォが人気薄で激走しましたけど、あのレースは狙っていました。王道、根幹距離の差しで、2走前が3勝クラス+叩き3戦目と鮮度も高く、充実期でしたから。
今:確かに鮮度と充実期が重なると、ある程度馬群からも差してくる感じだね。大阪杯激走後の宝塚記念では、鮮度が一段階落ちて、投げ出す癖が出ちゃったけど。
亀:基本はフレッシュな時と充実期で買いですね。それ以外、例えば使われていって調子を崩している時は買いにくい。
今:馬群への対応力では、前回取り挙げたエピファネイア同様、牝馬の方が柔らかさがあるぶん良いよ。まぁそれはどの種牡馬でも同じだけど、その比率がより高い。スターズオンアースなんかは、鮮度があったのもあるけど、桜花賞で馬群を割って抜けてきたし。
亀:ただ今のところ、牝馬は牡馬ほど走らないんですよ。勝率、複勝率ともに牡馬の方がかなり上です。気性的にキツさがあって、口向きが繊細なんですよね。そういうタイプだけに、牝馬だと余計に難しさがあります。ただ、そこも育成のコツがわかれば改善されて名馬が出ると思いますが。
今:本質的にドゥラメンテは硬いパワー型だから、牡馬の方がその長所を最大限に活かしやすいのもあるよ。上がり3ハロンの前走比較成績を出してるんだけど、前走よりレース上がりが0.5秒以上速いと複勝率26.9%、複勝回収率46%だけど、前走よりレース上がりが0.5秒以上遅いと複勝率37.9%、複勝回収率90%。回収率が倍近くもアップするし、単勝回収率は100%を超えているよ。