Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第26回目のトークテーマはパイロ考察のまとめと、新たにスタートするキングカメハメハの考察。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
亀谷敬正(以下、亀):パイロの芝はダート血統らしく、芝の短距離、芝の2歳~3歳前半までが基本になりますね。
今井雅宏(以下、今):時計の掛かる馬場か、逆に速い馬場のハイペースか、いずれにしても特殊レースに向くね。矯めるのが苦手なダート血統が芝で激走するときの基本パターンだ。
亀:短縮と延長だと、短縮の方が複勝率で3倍近く高いのも、ダート血統の芝らしい成績ですね。
▲パイロ産駒 芝のローテ別成績
今:延長での激走パターンを見ると、「馬の記憶」の本質がよく分かるよ。延長で勝ったのは2回だけど、前走6番手から今回逃げたのと、前走ダートを14番手から今回2番手の馬だった。
亀:2回とも前走より極端に前へ行く形ですね。
今:芝だとS質(闘争心)が強すぎてコントロールが難しいから、行くか、捲るか、追い込むか、極端な競馬で集中力を持続させる形が合う。それに位置取りとかのショックがあると集中しやすいよ。特に延長は道中で前走より我慢しないといけないんで余計にね。延長の芝だと前走芝の馬は複勝回収率14%で、ダートだと70%だから、相当の差が出てる。
亀:ダート血統なのに、ダートからの出走の方が芝で激走するのも面白いですね。
今:ショックがあって目先が変わると、一時的にコントロールしやすくなるよね。
亀:短縮と同じで、ローテーションで馬の成績も変わる象徴的なデータですね。
今:激走するのにショックを必要とするデータ構成は、ダート血統が芝を走る場合、一般的に起きる傾向でもあるよ。
亀:パイロに関してはここまでにして、ここからはキングカメハメハにいきましょう。