Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第29回目のトークテーマは前回に引き続きハーツクライ。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
亀谷敬正(以下、亀):前回は、ハーツクライ産駒は内枠が得意、硬い産駒が増えて短縮を走る馬も増えたという話でした。
今井雅宏(以下、今):そういえば先週土曜の中日新聞杯は、5番人気のキラーアビリティ本命だったのに、外枠のマテンロウレオを抜けにして馬単外しちゃったよ・・・。一応、予想では「上手く馬群に潜り込めば」と書いておいたけど。
亀:マテンロウレオは上手く馬群に潜り込みましたよね。「外枠でも馬群に潜り込めば良い」という話も前回していました。
今:アルゼンチン共和国杯は同じハーツ産駒のハーツイストワールが外枠だったけど、武が馬群に潜り込むのを期待して、勝ち馬の相手に選んで馬単も当てたんだけどね。
亀:確かにあれも外枠だったのに、上手く馬群に潜り込みましたね。
今:馬群にさえ入れれば、外枠の長距離スローでも集中力は切れにくいから。ちなみにキラーアビリティは、ディープの「鮮度問題」がポイントだったよ。中距離の古馬混合戦が初めてで、1、2番人気に支持された同じディープ2頭より鮮度が高いぶん先着するわけだよね。
亀:ここで話したことが重賞だけでも実践されていってますね(笑)。そこでハーツクライの具体的な狙い所ですが、最近は米国型との配合など硬い産駒が増えて、短縮も走るという話でした。スタミナがあるから、本質的には延長が向く血統ではあるんですけどね。
今:前回話したように、延長や外枠の場合、単調な競馬になると気持ちが空回りしやすいんだよね。馬群に入れたりペースアップすれば集中出来るけど。
亀:本来延長が向くのは、前半が速い流れが苦手なのもありますね。速い流れを追走すると良くない血統なので。
今:前半緩く流れて、徐々にペースアップして最後は激戦になる形がハーツクライとかしぶといタイプ(C系)は一番合う。オルフェーヴルの回でも話したパターンだけど。
亀:最初から最後まで緩い流れで差し馬場だと、ディープインパクトなど最後にもっとキレるタイプが有利になりますし。芝重賞でも道悪になると強いのと同じですよ。他の主流種牡馬が軽い馬場向きなので、余計に重い馬場では有利になる。
今:特に悪すぎない稍重くらいが走るよね。それと速い流れを追走するのが苦手なんで、短縮の場合は前半無理に追いかけず矯める競馬が向く。短縮は気持ちが道中で切れやすい欠点は補えるんで、前半の追走負荷をどうクリアするかになるから。