Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第34回目のトークテーマはマジェスティックウォリアー。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
亀谷敬正(以下、亀):マジェスティックウォリアーは同じエーピーインディ系のカジノドライヴに近いところがあります。ダート中長距離のスピード持続競馬で強く、キャリアを重ねて上昇します。
今井雅宏(以下、今):平均して速い流れに向いてスムーズに先行して強いから、流れに乗りやすいダートの長めの距離は合うよね。
亀:具体的な数字で見ても、ダート1600mから複勝回収率が上がりはじめて、1700mと2100mは100%を超えてますから。対して短距離は全体に低く、特に勝率が落ちています。ダート1300m以下の4距離は単勝回収率が全て30%未満ですよ。
今:先行馬だけどダッシュ力はそこまで高くないんだよね。その辺は確かに強引な競馬が好きな割にダッシュ力が弱くて、1700m以上に向いたカジノドライヴに似てるね。
それに加えて、マジェスティックウォリアーの方が揉まれ弱いんだ。そこも影響して、ペースが激化して揉まれやすくなる短距離の短縮は良くない。ダート1400m以下の短縮では160回近く走ってまだ2勝だから、勝率にして1%ちょっとしかないよ。
▲マジェスティックウォリアー産駒 ダート戦の短縮時成績
亀:それでたまに短縮が走ると、『短縮でも走ったじゃないか』って思われる訳ですが、それはどうして短縮が苦手なのかを理解していないんですよね。2022年の室町Sでは1700mから1200mの短縮だったエアアルマスをあえて本命にしました。この模様は堀江さん(ホリエモン)と共演したYouTubeでライブ配信されました。
▼その模様
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今:おお、凄いね。9番人気だから驚いてたんじゃないの(笑)。
亀:要するに短縮が苦手な血統の馬は、前走よりペースが緩めば楽に感じるんですよね。前走は1700mでしたけどかなりのハイペースでした。
今:多頭数の小回り・小倉で、相当の消耗戦になったよね。
亀:しかも1番枠だったので激しいハナ争いをしたんですよ。前走よりは厳しいレースに感じない、「疑似延長」というか、短縮なのに延長みたいに感じるパターンです。
今:競馬は前走との感じ方の違いが合ってるかどうか、その差が結果に大きく影響するスポーツだから。野球でも同じ150キロのストレートでも、先発が155キロ出してた後のリリーフが150キロの正統派なら、手頃な速さの打ちやすい緩いボールに見えちゃのと同じで。
亀:しかも、この日は重馬場で、砂を被りにくいというのも狙いでした。確かにマジェスティックウォリアーは揉まれ弱いので、これは大きなポイントになります。前走からの流れと馬場、その両方が短縮での弱点を補ったわけです。
この連載で短縮が合うとか話しているのも、常にそういった具体的な理由がある点には注意して欲しいですよね。
今:どうして短縮が合うのかとか、そういう会話の部分もスペースが許す限り出来るだけ載せて貰ってるんで、注意して読んでみると、この連載をより楽しめると思うよ。枠なんかも同じで、内枠が合わないタイプでも前走よりスムーズならむしろ最短距離を楽に走れるわけだし。