Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第54回目のトークテーマはリアルスティール。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
今井雅宏(以下、今):リアルスティールは結構特徴のある種牡馬で、馬券的にも重宝するよ。
亀谷敬正(以下、亀):何か面白い馬券作戦を見つけたみたいですね。
今:とにかく強引なパワータイプで、体力と闘争心は強いけど、ブレーキを掛ける競馬が滅法苦手なんだ。馬群でスムーズさを欠くと、一気に戦意を喪失しちゃう。
亀:なるほど、芝の内枠は勝率が相当低いですね。4枠以降になるとグングン上がっていきますよ。確かにこれは簡単な種牡馬だ(笑)。
▲リアルスティール産駒 芝・ダート総合枠番別成績
今:少頭数はべらぼうに好走率が高いしね。11頭立て以下だと複勝率で5割あって、複勝回収率は128%だよ。
亀:少頭数で回収率が高いのは凄いですね。
今:単勝回収率は多頭数の方が高いけど、数字を上げているのは逃げや外枠の追い込みとかで、揉まれなかったケースがほとんどなんだよね。逆に言うと、パワーはあるから揉まれさえしなければ多頭数の方が消耗戦になりやすいぶん、一発のケースも増えるわけだ。
亀:馬体重だと、前回話題に出たビッグアーサーと真逆になりますよ。リアルスティールはパワーに特化した馬が走っています。大型馬と小型馬で比べると、かなり出世率が違いますし。出来れば460キロ以上は欲しくて、現在中央で2勝以上している産駒は7頭いますが、牝馬も含めて全て460キロ以上あります。
今:体力で押し切る競馬だもんね。さっきの多頭数で回収率を上げているのはほとんどが道悪なんだ。道悪はばらけて揉まれにくくなる上に、パワーも活かせるんで、穴が走りやすい。ただ走りそのものは芝質だから、滑るような馬場だとよくなくて、ドボドボになると凄い向く。
こういった強引で心身の硬いパワータイプのS系は、重い馬場か、あるいは逆に高速馬場か、極端なレース質で強いのが特徴でもあるしね。
亀:確かに不良馬場は強烈ですね。今年の大寒桜賞は不良になって、リアルスティールのワンツーで馬単68倍つけました。しかも少頭数で2頭とも5枠以降ですから、さっきの激走パターンが全て詰まってましたね。
今:中京の2000m以上はかなり向いてくるタイプなんだよね。長めの距離の中京は前半緩く入ってもコーナーでラップが落ちにくいんで、得意の消耗戦になりやすい。タイトにコーナーを回る割に内外に馬が振られてばらけやすいのも、揉まるリスクが減るんで向くよ。
それとやっぱりスムーズに加速出来る延長向きで、短縮は揉まれるとアウトだよね。