Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第56回目のトークテーマは前回に続きダイワメジャー。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
今井雅宏(以下、今):また先週ここで解説した通りの結末になって、復習にピッタリの重賞があったよ。
亀谷敬正(以下、亀):CBC賞ですよね。「相手強化」だった8番人気のロードカナロア(サンキューユウガ)が2着に激走しました。本命だったんですって?
今:単勝で33倍もつけてたから、ジャスパークローネに逃げ切られたのはショックだったけどね~。複勝しか当たらなかったよ(笑)。
亀:複勝でも6.2倍つけば十分ですよね。
今:3勝クラスで5戦連続5着以下に凡走していた馬だから、「超相手強化」だったんだ。前回話したように、馬は能力だけでなく、ステップの連続性で走るという典型的な結末だよね。
今回だとロードカナロア得意の「相手強化」、「内枠」、前走出遅れからブリンカーで「前に行く位置取りショック」と、2走前ダートの「S質活性化」、その4つが重なって集中力が一気に点火された。
逆に、宝塚記念のスリーセブンシーズを例にして前回解説した、やはり「相手強化」向きのドリームジャーニー産駒のトゥラヴェスーラは、今度は「相手弱化」だから押さえ評価くらいで十分だったよ。
亀:これも前回の解説通りでしたね。「相手強化」の高松宮記念では、今回と同じ中京1200mを13番人気で激走している中京巧者ですもんね。力関係だけだと、永遠に理解出来ない結果です。
僕も開幕のレース質が合わないので評価しませんでしたよ。「馬のタイプに応じた最適なステップがある」、それを今井さんには教わりました。
今:亀谷君はそのタイプ論を独自の方法で展開させていったよね。だから違った角度の話が聞けるのを楽しみにしてるんだ。
亀:ちなみに僕はスマートクラージュが本命でした。
今:お、二人の本命ならワイドでも25倍つけてたじゃん(笑)。どうして選んだの?
亀:CBC賞がディープインパクト系に向くレース質なんですよね。なので、今年は1・2着馬が買えなかったんですけど(笑)。
さて今回はダイワメジャーの続きで、具体的な狙い方を見ていきましょう。欧州型なのでタメて体力を引き出す競馬が良いという話をしましたが、やはり母父も欧州型で体力を活かす競馬が向くんですよね。短距離のイメージもありますが、本質的には1600~2000mで直線が長くて坂のあるコースが合うわけです。
今:短中距離タイプにしてはそこまでダッシュ力がないのもあるよね。ウマゲノム辞典で出しているダッシュ値でも「52」と平均を少し上回る程度で、前半3ハロン34.5秒を切るようなペースだと、むしろ平均より劣るんだ。まぁ牝馬だとダッシュ力の高いのもいるけどね。
亀:特に2~3歳の牝馬だとスピードで1200mを通用するケースが多いんですよね。それにイメージを引きずられやすいわけで。「キタサンブラックをマイル寄りにしたサンデー系」というイメージです。
今:1200mなら少し重いレース質が向くね。
亀:ただ乗りにくさもあるので、人気を裏切ることも多いですよ。
今:1800m以上も穴向きだよ。体力的に長いから安定感がないんで、好凡走が激しくなるぶん馬券的には面白い。特に長距離で前に行く位置取りショックは破壊力抜群だよ。