Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第60回目のトークテーマはサトノクラウン。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
亀谷敬正(以下、亀): サトノクラウンの本質は欧州型の中長距離タイプ。スタミナ体力型です。いきなり初年度産駒でダービー馬を出しましたが、どちらかというと非根幹距離向きと考えています。
今井雅宏(以下、今): 初年度は少し異質な馬を出すことも多いから、タスティエーラで全体のイメージを掴もうとすると失敗するかもだね。
亀: イクイノックスでキタサンブラック全体をイメージすると失敗するのと同じですね。ダービーそのものが、最近はキレが要求されにくくなって、スタミナ、体力勝負になっているということもあります。
今: 高速化して、速いラップで行ってそのまま押し切るようなパワー競馬になりつつある、という感じはあるね。
亀: フサイチコンコルドのダービーを思い出しましたよ。あの馬も非根幹距離向きの体力型でした。
今: デビュー3戦目でダービーを勝って話題になったよね。ただ、逆に使われていってどうだったかは微妙で、心身が硬くなっていた可能性もあったけど。
亀: タスティエーラは母父マンハッタンカフェですけど、マンハッタンカフェも非根幹距離型なんです。ひとつ言えるのは、体力を強化した配合のほうがいいのかなと。逆に、王道スピードタイプのディープインパクト系が母父だといまいちで、牡馬は小型でキレを活かすようなタイプはあんまり良くないんですよね。そのうち大物は出るでしょうけど。
今: マンハッタンカフェはMで量(L)系と呼んで、サトノクラウンに近いタイプなんだよね。安定して気の良さと体力を供給するタイプとの配合が合ってる。
タスティエーラは体力と量が十分供給されているのと、まだ若くてフレッシュだから安定してるけど、基本は揉まれ弱くて前走よりタイトな競馬だとあっさり凡走するタイプになるよ。また、そういうタイプにしては気の強さもあるんで、余計に安定感がない。気が強いぶんフレッシュだと馬群を割るケースもあるけど、基本は揉まれ弱いよ。ウヴァロヴァイトが13頭立ての13番枠から追い込みに回る位置取りショックでスイートピーSを勝ったようにだね。
亀: 前走のクイーンCは速い流れを先行して凡走してましたね。
今: 前走より道中で楽に競馬が出来たから好走したわけだよね。それでスイートピーSの次走、小回り福島のラジオNIKKEI賞では揉まれて惨敗した。前走よりスムーズに競馬出来ると激走するけど、その逆だと凡走するというリズムだね。