Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第73回目のトークテーマは前回に続きアメリカンペイトリオット。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
亀谷敬正(以下、亀): カシオペアSの3連単494倍、当てたみたいですね。実はボクも獲ったんですよ(笑)。
今井雅宏(以下、今): え、そうなんだ。同じような馬を狙ってたんだねぇ。
亀: アルナシームはワンターンの短縮はベスト条件です。
今: モーリスは不器用だから確かに広いコースの短縮は向くよね。しかも今回は精神コントロールの難しいモーリス産駒を走りに集中させるにはピッタリの、ハイペースを差しに回る位置取りショックだったし。
亀: あ、それはサロンメンバーの方も、「短縮の位置取りショック」って理由で買ってた人が結構いましたよ。
今: Mの法則をすっかりマスターしてるね~(笑)。前走先行で凡走して、陣営が今回は差しに回ると公言していたもんね。これは陣営と作戦が共有された、「約束された位置取りショック」と呼ばれる、一番精度の高いパターンになるよ。
亀: 鮫島騎手も差すのが上手いジョッキーですし、より安心でした。
今: 鮫島騎手は2走前に延長の函館記念で差しに回って6着だから、短縮のリステッドを差しに回ればあっさり勝っちゃうよね。
亀: あと、G1の裏開催というのもありましたよ。
今: それはまたどんな作戦?
亀: G1は、他のレースのオッズが甘くなるんですよね。単純に近走の成績で買う馬が売れやすくなるので、アルナシームみたいに近2走とも6着以下に凡走している馬は人気が落ちるわけです。
今: なるほど、「この組み合わせで馬単52倍も付くの?」って驚いたけど、そういう仕組みもあったのか(笑)。
亀: 特に今回は天皇賞秋にイクイノックスが出てたじゃないですか。ああいう単勝1.3倍の馬を買うようなファンが買うわけですから、余計に近走で重賞を好走しているマテンロウスカイみたいな馬に人気が集まりやすいわけですよ。
今: 同じモーリス産駒ならこっちを買っちゃうわけだ。ボーナスステージだね~。3着のヤマニンサンパみたいな地味な馬は余計に買われないわけだ。
亀: ええ。イクイノックスが出ているようなレースを追いかけても仕方ないですからね。天皇賞秋はそういうファンにくれてやって、ボクらは裏のカシオペアSでがっつり稼ぐわけです(笑)。千鳥のノブさんからも『今日の裏レースのお奨め教えてください』ってLINEが来てました(笑)。
それから、この日の京都芝は、母父ディープインパクトの日でもあったわけです。これも当日の亀メモに「母父ディープ」を挙げました。
※今日の亀メモ/10月29日(日)
古都Sも母父ディープインパクトのワープスピードが勝ったんですよ。このレースも稼いだんですが。
今: そこは僕はやられちゃったよ。裏も裏、10Rは新潟の鳥屋野特別で500倍を当てて稼いだんだけど、あれもG1週でオッズが甘かったのかな(笑)。勝ち馬は以前話した道悪のダンカークだよね。広い新潟コースのハイペースというのも向く。3着も以前話した外枠のリアルスティールだったよ。
それと母父ディープインパクトといえば、今度の本で母父も少しだけオマケで触れたでしょう? そのデータで、延長の母父ディープインパクトは2600mを超えると安定感が出てくるってデータの解説を書いたんだよ。自分で書いて忘れてたけど(笑)。母父ディープインパクトは延長だと短距離とか忙しい条件だと勝ちきれなくて、ゆったりした条件でよく走るんだよね。
亀: では、今回はアメリカンペイトリオットを見ていきましょう。お父さんがウォーフロントで、良血。このあいだ話したデクラレーションオブウォーと同じで、日本では馴染みが薄いけど走る血統なので、馬券的にも美味しい種牡馬になりますよ。これは産駒がデビューして間もなくYouTube『亀谷敬正の競馬血統辞典』で指摘していたことです。