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栗山求の海外競馬トピックス 07/04 (日)

ベルモントS、仏ダービー、仏オークス/栗山求の海外競馬トピックス

この時期は欧米で矢継ぎ早にビッグレースが行われるので、のんびり構えているとレース結果の解説が間に合わない。駆け足ではあるが、クラシックレースを中心にいくつか振り返ってみたい。

英ダービーと同日の6月5日、米ニューヨーク州ベルモントパークで米三冠の最終関門ベルモントS(G1・ダート12ハロン)が行われた。レースは、1番人気Essential Qualityが中団追走からポジションを上げ、直線入口で先頭に立って押し切った。(※レース映像)

勝ちタイムの2分27秒11は、過去10年間で2015年のAmerican Pharoahの2分26秒65に次いで2番目。過去30年間に範囲を広げても、5番目という優秀なタイムだ。1番人気で4着と敗れたケンタッキーダービーのあと、二冠目のプリークネスSを自重し、三冠目のベルモントSに狙いを定めた陣営の戦略が当たった。

昨年、ブリーダーズCジュヴェナイル(米G1・ダート8.5ハロン)を含めて3戦全勝で2歳牡馬チャンピオンに選出され、3歳時はこれで4戦3勝。秋の成績次第では年度代表馬も狙える位置にいる。管理するブラッド・コックス調教師は、Monomoy Girl(3歳牝馬チャンピオン、古牝馬チャンピオン)も管理しており、2020年にエクリプス賞最優秀調教師に選出された。現在41歳。

父Tapitは3年連続米チャンピオンサイアーとなった名種牡馬。ベルモントSの成績がずば抜けており、これで通算4頭目の勝ち馬となる。2着馬も2頭出している。陣営がベルモントSに注力したのもこのデータを把握していたからではないか。Tapitの2代父A.P.Indyは1992年に当レースを勝っており、勝ちタイムは2分26秒13と速かった。これが過去30年間の最速タイムだ。

2代母Contriveは無敗の三冠馬コントレイルの3代母でもある。同じ時期に同じ牝系から日米の活躍馬が現れたのはおもしろい。いずれも種牡馬として大いに期待できる。


6月6日、仏シャンティイで行われた仏ダービー(G1・芝2100m)は、1番人気に推されたアイルランド調教馬St Mark’s Basilicaがインから抜け出して快勝した。重馬場の勝ちタイムは2分07秒30。4年前にStudy of Manが同じ重馬場で2分07秒44だったので、まずまず平均的な勝ちタイムだろう。これでデューハーストS(英G1・芝7ハロン)、仏2000ギニー(G1・芝1600m)とG1を3連勝。通算7戦4勝。(※レース映像)

一昨年の英2000ギニー(G1)を勝ったMagna Greciaの半弟。母Cabaretは2歳時に芝7ハロンの愛G3を勝った経験があり、繁殖牝馬として大成功を収めた。近年の偉大な繁殖牝馬、たとえばSlightly Dangerous、Hasili、Magnificient Style、Vertigineux、You’resothrillingなどは、血統構成のなかにいずれもRobertoを抱えている。Cabaretも同様だ。

父Siyouniは現時点におけるフランス最良の種牡馬で、2020年にはSottsass(凱旋門賞)の活躍により仏チャンピオンサイアーとなった。その父Pivotalはブルードメアサイアーとしてきわめて有能だが、Siyouniが種牡馬として名を挙げたことで、父系の祖としても注目されている。SottsassとSt Mark’s Basilicaは、いずれも「Siyouni×Galileo」という組み合わせで、Nureyev≒Sadler’s Wells 4×3という4分の3同血クロスを持っている。「Galileo×Pivotal×デインヒル」のLove(カルティエ賞最優秀3歳牝馬)を、父母ひっくり返したような配合構成だ。

6月20日、仏シャンティイで行われた仏オークス(G1・芝2100m)は、2番手を追走したアイルランド調教馬Joan of Arcが直線の追い比べを制して初のG1タイトルを獲得した。(※レース映像)

父Galileo、母You’resothrillingというおなじみの血統。Gleneagles(英・愛2000ギニー、セントジェームズパレスS、ナショナルS)、Marvellous(愛1000ギニー)、Happily(モイグレアスタッドS、ジャンリュックラガルデール賞)を全きょうだいに持つ超良血だ。

母You’resothrillingは米チャンピオンサイアーとなったGiant’s Causewayの全妹で、仏ダービー馬St Mark’s Basilicaの解説で触れたようにRobertoを抱えている。4頭のG1馬を送り出したので歴史的名繁殖牝馬といっていいだろう。これらの全妹にあたる現2歳のToy(父Galileo)もいずれ大仕事をしそうだ。

「Galileo×Storm Cat」は、Churchill(カルティエ賞最優秀2歳牡馬)、Misty for Me(カルティエ賞最優秀2歳牝馬)、Ballydoyle(マルセルブサック賞)、Decorated Knight(愛チャンピオンS)などと同じ。Galileo産駒のなかではスピードタイプに出やすい配合だ。

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栗山求 近影

栗山求

1968年生まれ。大学在学中の1989年に競馬通信社入社。血統専門誌『週刊競馬通信』にコラム「血統SQUARE」を7年間連載しつつ編集長を務める。1997年に退社後はフリーランスに。編集者や執筆者として携わった雑誌・書籍は数知れず。2010年に株式会社ミエスクを立ち上げて代表取締役に就任。翌年から血統・配合の競馬総合サイト『血統屋』の運営を開始し、牧場・馬主向けの配合コンサルタント業を本格化させる。2012年から『パーフェクト種牡馬辞典』(自由国民社)を望田潤氏らと共同執筆で上梓。2016年に『血統史たらればなし』(KADOKAWA)を刊行。月刊誌『優駿』(JRA)やクラブ法人の会報各誌に連載を持ち、『KEIBAコンシェルジュ』(グリーンチャンネル)などのテレビ出演もこなす。

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