7月17日、アイルランドのカラ競馬場で行われた愛オークス(G1・芝12ハロン)は、残り2ハロンで先頭に立ったSnowfallが後続に8馬身半差をつけて圧勝した。英オークスと愛オークスを連勝したのは2017年のEnable以来4年ぶり。16馬身差で圧勝した前走の英オークス(G1)に続き、このレースでも後続を8馬身半ちぎって独走した。この着差は1905年にBlakestownが記録した10馬身差に次ぐレース歴代2位。(※レース映像)
あらためて説明するまでもなく、Snowfallは北海道安平町のノーザンファームで誕生した。父はディープインパクト、母Best in the Worldは女傑Found(凱旋門賞、ブリーダーズCターフ)の全妹、という良血馬。母は現役時代にギヴサンクスS(愛G3・芝12ハロン)を、2代母Red EvieはロッキンジS(英G1・芝8ハロン)とメイトロンS(愛G1・芝8ハロン)を勝った。
ディープインパクト産駒の欧州クラシックレース勝利は6回目となり、オークスに関しては英仏愛と三大レースをすべて制したことになる。
2012年 仏1000ギニー(Beauty Parlour)
2018年 英2000ギニー(Saxon Warrior)
2018年 仏ダービー(Study of Man)
2020年 仏オークス(Fancy Blue)
2021年 英オークス(Snowfall)
2021年 愛オークス(Snowfall)
7月24日、英アスコット競馬場で行われたキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(GI・芝11ハロン211ヤード)は、英ダービー馬Adayarが2番手追走から抜け出し、4歳牡馬Mishriff(ドバイシーマクラシック、仏ダービー)に1・3/4馬身差をつけてGIを連勝した。GIを4連勝中だった4歳牝馬Loveは1番人気に応えられず3着。(※レース映像)
英ダービーを制した際は11頭立ての7番人気。成績だけを見ればフロック視されても不思議はなかったが、その後、仏2000ギニー(GI)と仏ダービー(GI)を連勝したSt Mark’s Basilicaが古馬相手のエクリプスS(英GI)を楽勝し、英ダービーで3着に負かしたHurricane Laneが同世代相手に愛ダービー(GI)とパリ大賞(仏GI)を連勝するなど、3歳世代と英ダービーのレベルの高さが次第に明らかになっていったため、このレースでは2番人気に支持されていた。英ダービー馬がその年のキングジョージを制したのは、2001年のGalileo以来20年ぶりのこと。
父Frankelは14戦全勝の成績を残した今世紀最高の名馬の1頭で、今年はゴドルフィン&アップルビーのコンビが擁するAdayarとHurricane Laneが両輪となってビッグレースを次々とモノにしている。現時点で常勝Galileoを抑えて英愛サイアーランキング首位。2010年以降11連覇、計12回首位に立っているGalileoはこれといったポイントゲッターが見当たらないので、このままFrankelが押し切る可能性が高まってきた。
Adayarは「Frankel×Dubawi」という組み合わせ。母Anna Salaiは芝1600mの仏G3勝ち馬で、愛1000ギニー(G1)2着馬。AdayarもHurricane Laneも母方にドイツ血統を抱えている。Frankel+ドイツ血統という構成で日本で活躍した馬といえばソウルスターリング(オークス、阪神JF)がいる。
7月末時点の凱旋門賞の前売りオッズ(英ブックメーカーbet365)は以下のとおり。
・Snowfall(4.3倍)
・Adayar(5倍)
・Wonderful Tonight(7倍)
・Hurricane Lane(8倍)
・Tarnawa(9倍)
・St Mark’s Basilica(10倍)
・Mashriff(11倍)
・Saiydabad(17倍)
・クロノジェネシス(17倍)
※以下略