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栗山求の海外競馬トピックス
2021/09/06 (月)

インターナショナルS、ヨークシャーオークス/栗山求の海外競馬トピックス

8月18日、英ヨーク競馬場で行われたインターナショナルS(英G1・芝10ハロン56ヤード)は、中団を追走した3歳牡馬Mishriffが直線で豪快に伸びて6馬身差で圧勝した。(※レース映像)

英中距離路線の真夏の大一番。過去10年間にフランケル、オーストラリア、ポストポンド、ロアリングライオン、ガイヤースといった大物が勝ち馬に名を連ねている。エクリプスS→インターナショナルS→愛チャンピオンS→英チャンピオンSと続く英愛中距離路線は、マイル路線と12ハロン路線の中間に位置し、長短それぞれの路線から越境してチャレンジしてくる馬も少なくない。

インターナショナルSには、2005年に日本のゼンノロブロイが挑戦。グリーンチャンネルが生中継し、最後の直線に入ってさあこれから……というときに電波が途切れてしまい、肝心のいちばんいいシーンが見られなかったという事件があった。結果はクビ差2着。ぶっつけで臨んで好結果を出したのは、イギリスの競馬場のなかではコース設定が比較的平坦で、なおかつ乾いた馬場で走りやすかったからだろう。

今年のメンバーレベルは上々。キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1・芝11ハロン211ヤード)でAdayarの2着に食い下がったMishriffと、昨年のカルティエ賞最優秀3歳牝馬のタイトルを獲得したLoveが差のない1、2番人気に推され、コロネーションS(英G1・芝7ハロン213ヤード)とサセックスS(英G1・芝8ハロン)を勝った3歳マイル女王Alcohol Freeが3番人気。

冒頭に記したとおり、レースでは1番人気Mishriffが圧倒的な強さを発揮し、独走でフィニッシュラインを駆け抜けた。僅差の2番人気だったLoveは3着、3番人気Alcohl Freeは堅い馬場がこたえたのか6着に敗れた。



今回、ミシュリフがつけた6馬身差は、過去30年間ではRoyal Anthem(1999年)が記録した8馬身差、Sakhee(2001年)とFrankel(2012年)が記録した7馬身差に次ぐもの。2分05秒92という勝ちタイムは、Sea the Stars(2009年)の2分05秒29、デクラレーションオブウォー(2013年)の2分05秒74に次いで歴代第3位。どちらの観点から見ても優秀だ。

父Make Believeは仏2000ギニー(G1・芝1600m)を勝ったマイラーで、本邦輸入種牡馬マクフィの息子。アメリカの芝G1を2勝した名牝ドバウィハイツの4分の3弟でもある。ドバウィハイツは社台ファームが輸入しており、リバティハイツ(フィリーズレビュー)、ランドオブリバティ(きさらぎ賞-3着)を産んだ。つまり、Make Believeは、リバティハイツとランドオブリバティの叔父にあたる。

母の父Raven’s Passはタワーオブロンドン(スプリンターズSなど重賞5勝)の父。2代母Acts of Graceは、名種牡馬Invincible Spirit、Kodiacの兄弟で、近親にGustav Klimtがいる良血。Sadler’s Wellsもデインヒルも持っていないので種牡馬としての価値も高い。

昨年、仏ダービー(G1・芝2100m)を4番人気で勝ったときは、とくに話題になったわけではなかったが、今季緒戦、サウジアラビアで開催された高額賞金レース(1着賞金約11億円)のサウジC(ダ1800m)を制覇。続いて、同じ中東のドバイシーマクラシック(首G1・芝2410m)でクロノジェネシス、ラヴズオンリーユーをくだして優勝。距離、馬場を問わない万能タイプとして一躍注目を集めることとなった。続くエクリプスS(英G1・芝9ハロン209ヤード)とキングジョージ6世&クイーンエリザベスSはそれぞれ3着、2着と敗れたが、今回の圧勝で復権を果たし、秋のビッグレースに向かうことになる。現在、ブックメーカーの凱旋門賞前売りオッズ(bet365)は、Snowfall、Adayar、Tarnawa、Hurricane Laneに次いで5番人気となっている。

インターナショナルSの翌日、8月19日に英ヨーク競馬場で行われたヨークシャーオークス(英G1・芝11ハロン188ヤード)は、後方追走から伸びたディープインパクト産駒のSnowfallが4馬身差で圧勝した。(※レース映像)

オークスと名がついているのは、もともと3歳牝馬限定戦だったころの名残。1991年以降、古馬牝馬にも開放され、3歳以上の牝馬によるヨーク開催のビッグレースとして定着している。過去10年間にBlue Bunting、The Fugue、Enable、Sea of Class、Loveといった大物が勝ち馬に名を連ねている。

過去10年間の着差を比較すると、Enable(2017年)とLove(2020年)が5馬身差、The Fugue(2013年)が4馬身差で勝っている。Snowfallは3位タイとなる。鞍上のライアン・ムーアは「彼女は特別な感覚を与えてくれた」と絶賛。9月12日のヴェルメイユ賞(仏G1・芝2400m)を使って本番の凱旋門賞に臨む。

9月5日現在の凱旋門賞の前売りオッズ(英ブックメーカーbet365)は以下のとおり。

・Snowfall (3.25倍)
・ Adayar (5倍)
・Tarnawa (7倍)
・Hurricane Lane (8.5倍)
・Mishriff (10倍)
・Wonderful Tonight (13倍)
・St Mark’s Basilica (13倍)
・クロノジェネシス (17倍)
・Love (17倍)
※以下略

St Mark’s Basilicaは9月11日の愛チャンピオンS(G1・芝10ハロン)に出走予定。その後、凱旋門賞へ進むかどうかは、現時点で陣営からアナウンスがない。

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栗山求 近影

栗山求

1968年生まれ。大学在学中の1989年に競馬通信社入社。血統専門誌『週刊競馬通信』にコラム「血統SQUARE」を7年間連載しつつ編集長を務める。1997年に退社後はフリーランスに。編集者や執筆者として携わった雑誌・書籍は数知れず。2010年に株式会社ミエスクを立ち上げて代表取締役に就任。翌年から血統・配合の競馬総合サイト『血統屋』の運営を開始し、牧場・馬主向けの配合コンサルタント業を本格化させる。2012年から『パーフェクト種牡馬辞典』(自由国民社)を望田潤氏らと共同執筆で上梓。2016年に『血統史たらればなし』(KADOKAWA)を刊行。月刊誌『優駿』(JRA)やクラブ法人の会報各誌に連載を持ち、『KEIBAコンシェルジュ』(グリーンチャンネル)などのテレビ出演もこなす。

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