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競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ
2023/09/28 (木)

最後のダービーグランプリ/大澤幹朗の競馬中継ココだけのハナシ

10月1日、盛岡競馬場で3歳馬による地方全国交流戦「ダービーグランプリ」(ダート2000m)が行われます。

今年のレースには、無敗の南関東三冠馬ミックファイア(大井)や、サンタアニタダービー2着馬マンダリンヒーロー(大井)、史上7頭目のホッカイドウ三冠馬ベルピットら豪華メンバーが出走を予定しており、例年以上に注目が集まっています。

ダービーグランプリは、まだ地方競馬の他地区や中央との交流がほとんどなかった1986年に「全国の地方競馬のダービー馬を対戦させよう」と、文字通り“ダービー馬たちのグランプリ”として創設されました。

12月の水沢で行われた第1回のレースには、北関東三冠馬サラノオー(足利)、東北優駿優勝馬ダイスプリンター(新潟)、大井・笠松で重賞3勝のタカシマリーガル(笠松/安藤勝己騎手)ら各地区の優駿と“岩手のダービー”不来方賞の上位馬が集いました。

レースを制したのは、大井の快速牝馬トミアルコ。ノノアルコの初年度産駒は先行力を活かし、北関東の三冠馬の猛追を凌いで初代の優勝馬となりました。ちなみに、この年の7月にトミアルコが優勝したブリリアントカップ(大井1600m)は、トゥインクルレースがスタートした記念すべき日のメインレースでした。

創設から大井所属馬が3連覇したダービーグランプリ。地元・岩手が初めて制したのは1989年、第4回のスイフトセイダイでした。不来方賞に続く連勝でダービーグランプリを制すると、翌月には的場文男騎手とのコンビで大井の東京大賞典に参戦しましたが、この年の南関東三冠を制した名牝ロジータに敗れました。のちに中央のオールカマーにも参戦。一時代を築いた岩手の名馬でした。

▼参考記事
オールカマー/大澤幹朗の競馬中継ココだけのハナシ


中央・地方「交流元年」翌年の1996年、ダービーグランプリは、この年「OROパーク」として新設移転した盛岡競馬場に舞台を移し、中央にも門戸を開放。中央・地方全国交流競走として行われ、ダート三冠の1冠目ユニコーンSを制したシンコウウインディが1番人気に支持されました。

勝ったのは、イシノサンデー。この年の皐月賞馬でした。ダービーでの敗戦以降、距離の壁にぶつかったため、秋以降はダートに路線変更。大井のスーパーダートダービー(3着)につづいて石崎隆之騎手(船橋)とのコンビで参戦していました。新しい時代の到来を実感する当年クラシックホースの優勝でした。

▼参考記事
ダート三冠とウイングアロー(1)/大澤幹朗の競馬中継ココだけのハナシ

ユニコーンステークス史/大澤幹朗の競馬中継ココだけのハナシ


翌1997年からは統一GIに格付け。1998年には大雪のためレースが中止となり3週間後に仕切り直しで行われるというアクシデントもありましたが、レギュラーメンバー(2000年)、ゴールドアリュール(2002年)、ユートピア(2003年)、カネヒキリ(2005年)と、統一GIのダービーグランプリは、その時代を象徴するダートの強豪が優勝馬として名を連ねました。

▼参考記事
ダート三冠とウイングアロー(2)/大澤幹朗の競馬中継ココだけのハナシ


しかし2007年。8月に発生した馬インフルエンザがきっかけとなり、ダートグレードの格付けを返上。この年は岩手限定の重賞として行われましたが、翌年からは休止となり、22年の歴史に一度ピリオドが打たれました。

2010年、ダービーグランプリは地方競馬全国交流競走として3年ぶりに復活。その初年度は、地元岩手のロックハンドスターが、羽田盃優勝馬シーズザゴールドや金沢で快進撃を続けていたナムラアンカーら他地区の強豪を相手に勝利し、岩手ダービー ダイヤモンドカップ、不来方賞につづく岩手三冠を達成しました。

2017年からは「3歳秋のチャンピオンシップ」として行われてきたダービーグランプリは、全日本的なダート競走の体系整備に伴い、36回目を数える今年が最後のレースとなります。来年からは不来方賞に統合され、新設の「ジャパンダートクラシック」のトライアル競走としてJpnIIに格付けされて行われます。

かつて私が局アナをしていたIBC岩手放送がダービーグランプリを中継した時、各地区の代表馬の紹介を各競馬場の実況アナウンサーにしてもらったことがありました。さながら高校野球中継のふるさと紹介。これぞ全国交流でした。

思い出深いレース名がなくなるのは寂しいですが、時代が前に進むためですから仕方ありません。ハイレベルな世代の豪華メンバーによる究極の「ダービーグランプリ」で掉尾を飾ってもらいましょう。

さて、10月1日は、スプリンターズS、ダービーグランプリにつづいて、深夜は凱旋門賞の海外馬券発売もあります。今年はスルーセブンシーズが参戦。すっかり秋の恒例行事となった凱旋門賞の海外馬券発売は、8年連続8回目。今年もグリーンチャンネルの海外中継でお目にかかります。ゲストは武豊騎手です。競馬三昧の長い1日を楽しみましょう!

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大澤幹朗 近影

大澤幹朗

1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。

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