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競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ
2024/05/23 (木)

誰が勝っても産駒のダービー初勝利/競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ

競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。今回のテーマは「誰が勝っても産駒のダービー初勝利」です。



今年の日本ダービー出走馬の父親を見ると、過去に産駒がダービーを勝っている種牡馬が1頭もいません。

サトノクラウンの初年度産駒タスティエーラが制した去年のダービーも、父が既にダービー馬を送り出していたのは、ハーツクライ産駒のハーツコンチェルト(3着)ただ1頭でした。ハーツクライは現3歳世代がラストクロップでしたが、今年、産駒のダービー出走は叶いませんでした。

この状況の最大の要因が「ディープインパクト産駒の不在」によるものなのは言うまでもありません。歴代最多7頭のダービー馬を輩出しているディープインパクトは、ラストクロップだった去年の3歳世代からオーギュストロダンという英国ダービー馬が出ましたが、日本のダービーには産駒の出走馬がいませんでした。

かくして、ディープインパクト産駒が完全にいなくなった世代のダービーは「誰が勝っても産駒のダービー初勝利」というダービーとなりました。

では、このようなダービーが前回あったのはいつだったのでしょうか?

1年ずつ遡って調べていくと…、ありました!

15年前、2009年の第76回日本ダービー。40年ぶりという不良馬場でのダービーを、前走の皐月賞で1番人気を大きく裏切る14着と大敗したロジユニヴァースが制し、デビュー24年目の横山典弘騎手が悲願のダービージョッキーとなったレースです。

2009年が種牡馬戦線においてどんな時代だったかというと、ダービー馬を6頭輩出しているサンデーサイレンスの産駒がいなくなった2007年から、ディープインパクト産駒がダービーに登場する直前の2010年までの「空白の4年間」に当たります。

2009年のダービー出走馬の父親を見ると、一番多かったのが3世代目だったマンハッタンカフェの3頭、次いで2頭ずつ出ていたのが、初年度産駒だったネオユニヴァース、同じく初年度産駒だったキングカメハメハ、それに6世代目だったスペシャルウィークした。優勝したロジユニヴァースの父はネオユニヴァース。この年は皐月賞もネオユニヴァースの初年度産駒アンライバルドが制していました。

「空白の4年間」では、2007年もダービー馬を送り出している父の産駒が皐月賞馬ヴィクトリー(父ブライアンズタイム)1頭だけで、去年と同じケースでした。この年はブライアンズタイムの孫であるウオッカが牝馬として64年ぶりにダービーを制し、14世代目のブライアンズタイム産駒だった皐月賞馬は9着に敗れました。

ちなみに、それより以前の「誰が勝っても産駒のダービー初勝利」のダービーは、1993年の第60回日本ダービー。サンデーサイレンスの初年度産駒タヤスツヨシが勝つ2年前、ブライアンズタイム産駒で後に三冠馬となるナリタブライアンが勝つ前年のダービーです。

1993年のダービーはトニービンの初年度産駒ウイニングチケットが制し、27年目44歳の柴田政人騎手がダービージョッキーになりました。2着は父シャルードの持ち込み馬ビワハヤヒデ、3着は父リヴリアの初年度産駒で皐月賞馬のナリタタイシン。「三強」と呼ばれた3頭が1~3着を占めました。

今年のダービー。産駒がダービーを勝っている種牡馬が1頭もいない一方で、皐月賞馬ジャスティンミラノら産駒5頭が出走する父キズナ、青葉賞を勝ったシュガークンら産駒2頭が出走する父ドゥラメンテ、初年度産駒サンライズアースが出走する父レイデオロにとっては、「父仔3代制覇」が懸かっています。ダービーを父仔3代で勝利すれば史上初の快挙です。

種牡馬にとっても様々な記録がかかる日本ダービー。果たして制するのは、どの父親の産駒でしょうか?

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大澤幹朗 近影

大澤幹朗

1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。

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