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競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ
2026/10/22 (木)

7年ぶり馬券発売決定! メルボルンカップ/競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ

競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。

今回のテーマは7年ぶり馬券が発売されるメルボルンカップです。

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19日、日本からスティンガーグラス(牡5/栗東・友道康夫厩舎)が出走を予定しているG1・メルボルンカップ(11/3、フレミントン競馬場・芝3200m)の海外馬券発売が発表になりました。

2016年、2018年、2019年の3回、国内発売が行われていたメルボルンカップは、2020年に発売対象レースから一度除外されていましたが、今年秋から対象レースが大幅に拡大されたことに伴って復活。今回は7年ぶり4回目の発売です。

来週の当コラムは、同時に馬券発売が発表された10/31のブリーダーズカップについて取り上げる予定ですので、今週は久しぶりに国内馬券発売が行われるメルボルンカップについて1週前倒しにして詳しく取り上げます。

1861年に創設されたメルボルンカップは、レース当日がヴィクトリア州の祝日に指定されているビッグイベントで、「The Race That Stops a Nation(国を止めるレース)」と呼ばれています。メルボルンカップが行われる毎年11月の第1火曜日の前後は「メルボルンカップ・カーニバル」としてフレミントン競馬場で計8つのG1レースが行われる他、レース前日には歴代のメルボルンカップ優勝馬やその年の出走馬の関係者がメルボルンの目抜き通りをパレードし、大きな賑わいを見せます。

オーストラリア競馬の歴史と文化を背景に、ギャンブル性を高め、多様な馬の出走を促すために、メルボルンカップは「ハンデ戦」で行われます。フルゲートは24頭で、G1・コーフィールドカップ、G1・コックスプレートなど指定された競走の優勝馬には優先出走権が与えられるほか、主催するレーシング・ヴィクトリアのハンディキャッパーが、登録馬の中から、実績、馬齢、国際レーティングなどを基準に作成する出走ランキングの上位順に出走馬が選出されます。

レースが行われるフレミントン競馬場はオーストラリア最大の競馬場です。「西洋梨」とも形容される円錐状(阪神競馬場を左右対称にしたイメージ)の芝コースの全周は2,312mで、左回りです。

メルボルンカップが行われる芝3200mのコースは、ホームストレッチから繋がる直線競馬用の「ストレートシックス」の900m地点からスタートします。最初のコーナーまでは約900m。1~2コーナーをカーブ後、約450mの向正面の直線を経て、約900mもある3~4コーナーの大カーブへ入ります。最終コーナーからゴールまでの最後の直線は450m。オールフラットで、コーナーも大きいことから全体的にフェアなコースとされています。

一方で、24頭立てという多頭数で行われるため、枠の有利不利というよりは、道中のコース取りが重要です。大カーブの後半は、最終コーナーでロスなく回るため馬群のインコースを狙っての勝負どころとなります。

ちなみに、2006年には角居厩舎の2頭が歴史的ワン・ツーフィニッシュを決めましたが、勝ったデルタブルースは先行してロスなく回り、2着のポップロックは中団からスムーズに外に出して鋭く伸びてきました。また2024年のワープスピードは、馬群の中でロスなく回り、直線で前が開いたところを鋭く伸びての2着でした。

さて、今年の有力馬ですが、去年の優勝馬で地元オーストラリアの筆頭と目されていたハーフユアーズ(セン6)が、17日のコーフィールドCで落馬転倒し競走を中止するというアクシデント。メルボルンカップを回避することになりました。その結果、オーストラリア現地のブックメーカー各社は、先月24日の当コラムでも触れた、アイルランドのジョセフ・オブライエン厩舎の3頭を上位評価しています。

まず、トラストユアインスティンクト(セン6)。2走前7/19のG2・カラC(芝2800m)の勝ち馬です。4歳時には障害レースで勝利した経験もあるなど、スタミナ豊富。ハンデは57.0キロが想定されています。

ディファイアントリー(牡4)は、フランスの重要な長距離前哨戦であるG2・ケルゴルレイ賞(芝3000m)を圧勝して優先出走権を獲得。想定ハンデは56.5キロと恵まれた印象です。

ハンデで言えば、53.5キロという軽量が想定されているジェームズジェイブラドック(セン3)。英ダービー3着、愛ダービー6着後に去勢され、前走9/12のG3・キルターナンS(芝2400m)は6着でした。

サフィー・オズボーン騎手を背に英セントレジャーSを勝利し、「女性騎手として史上初の英クラシック制覇」という歴史的快挙を達成したハイウェイマンは、長距離遠征を避け欧州にとどまる方針に転換したためメルボルンカップを回避することになりました。それでも、過去2回の優勝を誇るジョセフ陣営が強力な布陣であることに変わりはなく、8月の落馬事故による大けがから今月復帰を果たしたディラン・マクモナグル騎手が、どの馬を選択するのかにも注目です。

ただし、ジョセフ陣営の3頭が上位評価と言っても、いずれもオッズは10.0~13.0倍で、ハンデ戦のメルボルンカップは大混戦模様です。

地元オーストラリア勢では、2走前にG3・アーチャーS(フレミントン芝2500m)を勝って優先出走権を得たショックレッツ(牝5、ハンデ51.0キロ想定)や、クリス・ウォーラー厩舎の管理馬で、G1・オーストラリアンダービー(芝2400m)、G1・ランヴェッドS(芝2000m)やG1・タングレッドS(芝2400m)を勝っているアエリアナ(牝5、ハンデ58.0キロ想定)らが17.0倍前後で続いているほか、日本のスティンガーグラス(ハンデ57.0キロ想定)も同様のオッズで4番人気グループを形成しています。

さて、スティンガーグラスですが、デルタブルースやポップロック、ワープスピードら、これまで結果を出した日本調教馬が前哨戦(コーフィールドC)を使われていたのに対して、宝塚記念(13着)からの直行というローテーションで挑みます。

今回もコンビを組む予定のC・ルメール騎手とは[5-2-0-1]という好相性で、2走前のダイヤモンドS(芝3400m)もルメール騎手の手綱でした。ルメール騎手は2011年にフランス調教馬ドゥーナデンでメルボルンカップを制しています。

最後に過去10年の主な傾向をまとめておきます。

(1)好走馬のほぼ半数が「10番ゲートより内」
毎年23頭前後が出走するメルボルンカップ。過去10年で3着以内に入った30頭中14頭が10番ゲートより内のゲート番でした。特に「2番」は、2024年のワープスピードなど馬券に3回絡んでいます。

(2)3着以内に入った30頭中19頭が「ハンデ54.5キロ以下」
一方、57.0キロ以上で好走したのは4頭のみ。2021年はハンデ57キロの馬の1・2・3決着。2022年は57.5キロのゴールドトリップが優勝。

(3)優勝馬の調教国の内訳は、「オーストラリア7勝、アイルランド2勝、イギリス1勝」
3着以内の数は、オーストラリア17、アイルランド8、イギリス4、日本1。

(4)3着以内30頭の馬齢の内訳は、「5歳馬11頭、4歳馬8頭、3歳馬5頭(北半球表記)」
北半球産の3歳馬は2021年以降は馬券に絡んでいないものの、2017年から2019年まで3年連続で優勝したほか、2020年も2着だった(51.0~52.5キロ)。

(5)30頭中19頭が「セン馬」
うち12頭がオーストラリア調教馬。英愛調教馬も7頭がセン馬だった。

(6)優勝馬の前走は「欧州からの直行組3勝、コーフィールドカップ組3勝、コックスプレート組2勝」
3着以内馬の数は、欧州からの直行組9頭、コーフィールドカップ組8頭、コックスプレート組3頭。2024年2着ワープスピード(前走コーフィールドカップ13着)、2023年2着ソウルコーム(前走コーフィールドカップ7着)、2022年1着ゴールドトリップ(前走コックスプレート9着)など、コーフィールドカップとコックスプレートについては大敗後の巻き返しもある一方、前走がオーストラリアのG2やG3の組は、前走で勝ち負けしていることが条件。

今年のメルボルンカップが行われる11/3は日本も祝日です。発走は日本時間の13時の予定で、レース後には金沢と門別でJBC諸競走も行われます。文化の日は、メルボルンカップとJBCでお楽しみください!

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大澤幹朗 近影

大澤幹朗

1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。

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