競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。
今回のテーマは「凱旋門賞とペネトロメーター」です。
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今年の凱旋門賞は、ダリズが牡馬としては48年ぶりとなる連覇を達成。1馬身1/4差の2着にはベイシティローラー。大外枠からのスタートだった今年の仏2冠牝馬ダイヤモンドネックレスが3着に入りました。日本馬はアドマイヤテラが11着、メイショウタバルは14着に終わりました。
今年のレースでも大きなポイントとなったのが、レース当日の馬場状態でした。凱旋門賞が行われる10月第1週のパリはは季節の変わり目であることから、例年、ぐずついた天気が続くことが多く、良馬場やそれに近い状態でレースが行われることの方が稀でした。
しかし、夏以降に歴史的な猛暑と記録的な降雨不足により、深刻な干ばつに見舞われた今年のフランスは、パリでも凱旋門賞の直前まで夏のような暑さが続きました。水曜から木曜にかけてまとまった雨が降ったものの、その後はレース当日まで晴れが続きました。
ただ、週中の雨以降は気温が22~23℃の過ごしやすいものとなり、馬場は散水が必要となるほど乾くことはありませんでした。
そんな馬場状態を推測する数値として、グリーンチャンネルの中継でも度々取り上げていたのが「ペネトロメーター値」です。
ペネトロメーターはフランスギャロが馬場の硬さを測定するために用いるもので、先端が円錐形になった金属の棒を芝生に設置して、その上に1kgの重りを1mの高さから落下させ、金属棒が何cm沈んだかによって馬場状態を測定するものです。
日本では「良、稍重、重、不良」と馬場状態の基準が4段階であるのに対し、フランスでは、このペネトロメーター値によって馬場状態が10段階に細分化されています。
▲フランスの馬場状態基準
※P値=ペネトロメーター値
フランスギャロでは、ペネトロメーター値が「2.8」を下回ると馬の脚元へのリスクが高まるため、「3.0」を下回らないように散水を行う方針のため、現在は2.9~3.0程度の硬い馬場を発表することは実質的になくなったとされています。
今年の凱旋門賞の馬場は、ペネトロメーター値「3.4」で、日本での表記は「稍重」でした。
つづいて、パリロンシャン競馬場改修後の2018年以降の凱旋門賞各年のペネトロメーター値です。
▲凱旋門賞各年のペネトロメーター値
※P値=ペネトロメーター値
今年の「3.4」は、エースインパクトが優勝した2023年に近い水準の値でした。改修後9年間のうち3回はペネトロメーター値が3.2~3.4。「4.0」前後になることが多い一方で、馬券予想のためには馬場が比較的良い時の傾向も掴んでおきたいところです。
なお、今年の凱旋門賞の1、2着はフォワ賞の1、2着と同じでしたが、今年のアークトライアルデー当日のペネトロメーター値は「3.3」で、フォワ賞も凱旋門賞同様に、スローな流れから上りの瞬発力が問われるレース展開でした。
