プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“今年こそ守りたい、馬券の「資金計画」特別編”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
1月26日 中山11R AJCC 芝2200m
AJCCは中山芝2200mでの施行。初角となる1コーナーまで400m以上の距離があるため、先行争いにおいて、内外の有利不利はありません。
登録21頭中前走の通過順位に3番手以内があるのは5頭。先行占有率は高くないので、道中で動けるタイプが良いでしょう。
1番人気想定はダノンデサイル。ダービー1着、有馬記念3着の実績は一枚上で、敗れたといはいえ菊花賞の内容も濃く、このメンバーでは能力は最上位でしょう。2倍台の評価は妥当ではありますが、一般論として18頭立てで2倍前後のオッズが買いにくいのも確か。
2番人気想定はレーベンスティール。昨年は重賞を連勝。天皇賞(秋)は外枠もあって敗れましたが、悲観する内容ではありませんでした。過去に中山コースで重賞を2勝しているように、急坂コースを苦にしないタイプなので、適性面は文句なし。こちらの3倍前後も、妥当のオッズには感じます。
3番人気想定はコスモキュランダ。先行馬が少ない今年のメンバー構成で、道中で動いていける機動力は魅力です。こちらも中山コースに実績があり、急坂は問題ありません。適性外だった菊花賞の大敗、続く中日新聞杯も掲示板外だったので、もう少し人気を落として欲しいところではあります。3番人気・10.4倍はまだ辛い印象なので、当日のオッズの推移に注目です。
道中で動けるという意味ではディープモンスターに注目。ここ2走は7-5-4-4(4着)、12-12-12-10(2着)と捲る競馬をみせています。コース的に、道中で勢いをつけて急坂に入れるのはプラスでしょう。福島記念を15-15-14-10から捲り勝ちしたアラタも再度の人気薄なら期待値はありそうです。
ビザンチンドリームは菊花賞で上がり最速を使って5着に追い込みました。菊花賞4着のショウナンラプンタも先週の日経新春杯で結果を出しており、明け4歳のレベルも問題ありません。5番人気・13.4倍は甘い印象。
ボルドグフーシュは2022年の菊花賞、有馬記念を捲って2着した実績馬。能力は十分ですが、長期休養明けのチャレンジCで4着と格好をつけてしまった分、オッズが甘くなる可能性は低いか。
上位人気2頭は強力で、京成杯とは違ったアプローチが求められる一戦になりそう。なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言165
今年こそ守りたい、馬券の「資金計画」特別編
―先週は京成杯の172万馬券的中というとてつもない出来事がありましたが(笑)、こちらについては来週たっぷりお伝えするとして、今回は、「資金計画」の特別編として、素朴な疑問等に答えていただければと思います。
みねた)わかりました。
―前回、月の競馬予算を買いたいレース数で割るというやり方を教えていただきました。例えば1日5Rに絞って8開催日で月に40R。月の予算が10万円ならば、それを40で割った2500円が1Rの予算となるという。これ、実際にやってみると、1日6R買いたい時もあるんですよ。
みねた)それは買っていいんじゃないですか。買いたいというとぼんやりしていますが、期待値のあるレースということなら買った方がいいでしょう。
―1日6レース買ってしまった場合、他の日を4レースに調整したらいいですか?
みねた)そもそも1日5レースに決めたとしても、絶対に5レース買う必要は無いですよ。自分の基準で、勝負するレベルに達しているレースが3レースしかなければ、その日は3レースだけでいい。国営企業の年度末みたいに予算を使い切る必要はありません(笑)。
―なるほど。それで1ヶ月終わった段階で買いたいレースが多いのであれば、そもそもの購入レース数の設定が間違っていたということで。
みねた)買いたいレースが増えるというのはいいことですから。期待値が取れそうな馬を見つける能力が上がったという意味ですからね。ただ、ここまでの話を聞くと、やはり資金管理は使えるお金に対するパーセンテージにした方がわかりやすいかもしれません。重賞しかやらない人であれば、毎月の勝負レース数が自動的に決まるので、使えるお金÷レース数で良いですが。
―「使えるお金に対するパーセンテージ」というのは、単行本にも書かれていた、勝負レースは1%、その他のレースは0.1%を賭けるというやり方ですよね。
みねた)このやり方ならレース数の縛りはなく、期待値のあるレースをルールに応じて買っていくだけですからね。
―そこでお聞きしたいのが、「勝負レースとそれ以外」の考え方です。先の1日5レースに絞っていた時にも感じていたのですが、好走率も期待値も高そうな正真正銘の勝負レースと、「好走率は高くないけれど人気なさ過ぎて期待値がありそうだな」というレースがあって、両方を同じ金額買うのに少し抵抗があったりしたんです。
みねた)基本は同じ金額を賭けるのが良いと思います。明確な数字の裏付けなく0.1%と1%を使い分けると、“たまたま”0.1%を賭けたところが外れて1%賭けたところが当たればいいですが、現実的には、途中で今まで1%賭けていたところを0.1%に下げた途端に当たってしまうということも起こりますから。
―例えば、一定の基準で炙り出した穴馬の中でも「これは枠も並びもいいしアツい!」みたいなパターンもあるじゃないですか。
みねた)それは、「その穴馬の並びがこうだった時の回収率」みたいなデータを取るべきでしょうね。感覚的なものではダメです。大事なことは、なぜそのレースは1%で、こちらのレースは0.1%だったのかを明確に言語化できるかどうか。例えば、いくら期待値はあっても過去の統計上、勝率1.8%程度の穴馬だったら55回に1回程度しか勝たないわけです。その馬に資金50万円の人が1万円賭けていたとしたら、50回までに勝ってくれというギャンブルをやっていることになるんですよ。
―おそらくその人には、「過去のデータからは勝率1.8%だけど、この馬に限っては5%ある!」みたいに思えているのかなと。
みねた)でも、人間の感覚なんてアテになりませんから。一番大事なのはルールを決めてそれを貫くこと、期待値のあるところは全部買うことなので、そう意味でも、予算に対して一定額を賭ける方が真似しやすいようですね。
―最後にもう一つ。つい、資金管理のルールを破って負け過ぎてしまうことがあるじゃないですか?
みねた)うーん、なんでそんなことが起こるんでしょうね(笑)。
―例えば競馬場に行ってテンションが上がってしまったとか。「1日5R合計10000円の資金計画でやっていたのに競馬場で30000円負けてしまった」みたいな時はどうすれば良いでしょう?
みねた)それはもう、資金管理することも馬券攻略に入りますのでルールを破った分は馬券攻略とは別にして無かったことにするしかないんじゃないですか? 趣味の馬券を買う事も自分は否定していません。一番いけないのは「追い上げ」と言われているような、取り返すために賭け金をあげる方法に手を出すことですから。その30000円の損失はなかったものとして、当初に立てていた資金計画通りに粛々と賭けるのがいいでしょう。私が語っているのは、全て「競馬で勝つため」の資金管理。ただ、先の競馬場での散財であったり、応援馬券を買ったりするのも競馬のエンタメとしての魅力であることは否定しません。それはエンタメ枠として別の財布に分けて考えるのが健全でしょうね。