プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“初物こそ「好走率とオッズ」へ原点回帰せよ”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
6月14日 阪神11R 宝塚記念 芝2200m
宝塚記念は阪神芝2200mで施行。初角となる1コーナーまで500m以上あるので、先行争いにおける内外の有利不利はあまり大きくありません。
登録18頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは9頭。先行馬占有率が50%と高いので、スタミナが求められる一戦になるでしょう。
1番人気想定はクロワデュノール。特に説明は不要ですね。強いです。前出の通り、メンバー構成的にスタミナが求められそうなので、天皇賞(春)でスタミナを証明しているのも心強いところ。ここ2戦は自ら捲ってねじ伏せる競馬で、それで勝ち切れているのは能力の高さゆえ。とはいえ、強い先行馬が揃った今回、展開が楽ではないのも事実です。
2番人気想定はメイショウタバル。昨年の宝塚記念は逃げて0.5秒差の圧勝ですから、最適の舞台といっていいでしょう。大阪杯はクロワデュノールにねじ伏せられた形ですが、天皇賞(春)をスキップして臨むローテーションで、ここへの本気度はこちらが上のように感じます。あとはクロワデュノールの出方次第でしょうか。メイショウタバル視点だと、クロワデュノールに早めに追いかけてもらった方が、チャンスが広がるように思えます。
3番人気想定はミュージアムマイル。昨年は皐月賞と有馬記念を制覇しており、4歳世代トップグループの1頭です。海外遠征が中止になり、有馬記念からのぶっつけローテになったのは誤算で、まずは状態が気になります。先行馬が揃っているので、ここ2戦のG1で9-9-9-9、11-11-11-11としっかり脚をためているのは間違いなくプラス。総合的に5.3倍のオッズが見合うかは、非常に判断が難しいですね。
ダノンデサイルは5歳世代の大将格。昨秋から大きく崩れていませんし、大阪杯は6-6-6-7とスムーズさを欠きました。結果的に脚をためる競馬ができたのはここで生きてくるでしょう。主戦の戸崎騎手に戻りますし、想定9.3倍は悪くない印象。
昨年の有馬記念で1番人気に推されたレガレイラが想定5番人気。今回のメンバーレベルの高さを感じます。ルメール騎手騎乗で、14-14-15-12から4着した有馬記念の内容も悪くありません。ただ、骨折を経てもトップレベルで戦えていることを考えると、あまり世代レベルは高くなく、4歳世代優勢のようにも映ります。想定10.3倍で期待値が見合うかどうか、非常に扱いが難しい存在ですね。
スタミナが求められるという観点ならダイヤモンドSを捲って圧倒したスティンガーグラスに目がいきますし、大阪杯で捲りを打って4着だったタガノデュードの想定17番人気はナメられ過ぎの印象。
ビザンチンドリームはなんといっても凱旋門賞5着馬。昨年の天皇賞(春)でもタイム差なしの2着しており、海外帰りの分で印象が薄れていますが、現役トップクラスの実力馬です。パワー、スタミナが求められるのは歓迎で、想定7番人気なら期待値はあるでしょう。
逃げを打つメイショウタバルに捲りを放つクロワデュノール、そして脚をためるミュージアムマイル。想定上位人気の3頭の戦法が異なり、力を出し切れそう。ただ、その他の伏兵陣にも面白そうな馬が多く、非常に楽しみなレースです。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言236
初物こそ「好走率とオッズ」へ原点回帰せよ
★ピックアップレース★
5月9日 東京6R 3歳1勝クラス 芝1800m良
◎6ホールドザデイ
高○8マイネルシンベリン
穴▲1セイウンラピス
△11リッツパーティー
☆12アメテュストス
注10デイトナチャンプ

―前回に引き続き、△→◎→☆の決着で馬連73.9倍、3連複113.5倍だった5月9日の東京6Rを掘り下げます。初芝で27.2倍8番人気だった◎ホールドザデイが2着だったのですが、「ホールドザデイの期待値が高いから勝負レースというよりも、レース全体としてみた時、総合的に期待値が高いから勝負レース、というイメージ」とのことでした。この意味について教えてください。
みねた)全体的に期待値の取れそうな馬が多いメンバー構成だったのですが、その中で、単勝オッズ2.6倍の1番人気に推されていたデイトナチャンプの期待値が低いことは確実でした。
―新馬戦が1番人気1着、続く1勝クラスでも0.2秒差の2着ですから、人気になるのも頷けるのですが?
みねた)デビュー2戦が中山芝1600m。つまりここは初距離1800mへの距離延長、そして初めての東京コース。わかりやすく“危険”です。普通、2倍台まで支持を集める人気馬は、そのコース・距離で実績を残しているケースが多いのですが、今回は多くのファンがなぜか全く違う適性が求められる舞台での好走を鵜呑みにしてしまったのです。もちろん、ルメール騎手というだけで馬券内に持ってこられることも多いので、その気持ちはわからなくもありません。ただ、距離・コースともに未知なのに、あまりにもその点が考慮されていませんでしたね。さらに付け加えると、デイトナチャンプの2走は4-4-3→1着、7-6-6→1着とともに道中で捲り気味に動いていました。捲れる機動力は中山向きの適性で、東京では道中で脚をためられるスキルが求められます。未知な上に、レース内容からも東京替わりがマイナスに働く可能性が高いことは推測できました。
―危険な人気馬がいたから、他の馬の期待値が高かったということですね。
みねた)そうですね。6.5倍の4番人気で3着だったアメテュストスも甘かったと思います。未勝利勝ちの後は、OPの芙蓉Sがタイム差なしの2着、葉牡丹賞の競走中止を挟んで、G3京成杯が0.5秒差・8着、そしてG2弥生賞が1.0秒差の9着。重賞→重賞で差のない競馬をしていた実績馬を差し置いて、デイトナチャンプが2.6倍の1番人気というのは違和感があります。
―確かに、いわゆる「戦ってきた相手が違う」パターンですね。
みねた)他にも、例えば前走G3フラワーCで0.2秒差・8着ナックホワイトの単勝22.0倍も期待値がありそうな臨戦ですし、G2スプリングSで0.6秒差・8着→1勝クラスで1番人気5着だったマイネルシンベリンもいかにも期待値を積んでいそう。割と期待値のありそうな馬が多いなかで、「デイトナチャンプが馬柱の印象ほど信頼できないのはわかる」というレースだったのです。
―デイトナチャンプを消し、または押さえに回すというのが予想のスタート地点。
みねた)冒頭でもお話しした通り、特定の馬に期待値が偏っているというレースではなかったので、単体でみるとあれも買える、これも買える、となっちゃいますよね。そういう時は、原点に帰って「好走率とオッズ」を考えるといいですよ。
―推定勝率20%で単勝6倍なら期待値があるな、みたいなやつですよね。
みねた)そうです。「この骨っぽいメンバーで、果たしてデイトナチャンプは2.6回に1回以上勝てるの?」という問いかけ。ホールドザデイはそれなりに芝適性がある可能性が高く、そうであれば27回に1回よりはかなり高い確率で勝つでしょう。「初◯◯」の取捨を考える際は、普段以上に「好走率とオッズ」を意識するとよいですよ。
―どうしても初芝とか初ダートみたいな「初◯◯」の時は、適性がなかったら大敗しそうで嫌だなと、尻込みしてしまうんです。
みねた)それが人間心理。だからこそ「初◯◯」はとにかく人気を落としやすいのです。金言233、235でお話しした通り、芝→ダート→芝、ダート→芝→ダートのように、過去に実績があるパターンの方が安心して狙えますよね。「初◯◯」だと全く適性外のこともあるので、0か100かの勝負になってしまいます。だから大金を張りにくいので、オッズが甘くなる。結果として、100だった時の見返りが大きくなるのです。本来は5倍ぐらいのオッズが妥当な馬に20倍ぐらいついていたりするのが「初◯◯」。言うなれば、「初◯◯」はバーゲンセールの可能性があるのです。裏を返せば、人気の時に「初◯◯」を狙う理由は全くないということですね。
