YouTubeチャンネル『競馬オタク』でお馴染みの坂上明大氏による南関東4競馬場の重賞予想です。血統を絡めた過去の好走馬考察に加え、最終的な予想印、本命馬の根拠をレース前日に披露いたします。
※新連載『競馬オタク・坂上明大の南関競馬予想』リリースのお知らせ
~スタミナ指向のリピーターを狙え!~
2023年を締めくくるダート競馬の総決算・東京大賞典。6月に同条件で行われる帝王賞と比較すると、厳寒期で行われる東京大賞典は過去10年の平均勝ち時計で1秒以上も時計が掛かっており、帝王賞よりもスタミナ指向の馬の好走しやすいレースといえそうです。
そのため、JRAの軽いダートや1800m以下のスピード競馬で高いパフォーマンスを発揮する馬には厳しい競馬になりやすく、反対に2018~2021年に4連覇のオメガパフュームのようなリピーターが生まれやすいのも、東京大賞典の特殊性がゆえといえるのではないでしょうか。
◆複数回好走馬(一例)
ワンダーアキュート
→2011、2013年2着、2012、2015年3着
ホッコータルマエ
→2013、2014年1着、2015年2着
コパノリッキー
→2014年2着、2017年1着
サウンドトゥルー
→2015年1着、2016年3着、2017年2着
ケイティブレイブ
→2017、2018年3着
ウェスタールンド
2020、2021年3着
オメガパフューム
2018、2019、2020、2021年1着
~サンデー系などの中長距離血統が中心~
血統面ではサンデーサイレンス系を中心とした中長距離血統が大活躍。一昨年はクリンチャー(父ディープスカイ)とウェスタールンド(父ネオユニヴァース)が2、3着に好走し、昨年はウシュバテソーロ(父オルフェーヴル)、ノットゥルノ(父ハーツクライ)という天皇賞・春のようなワンツー決着となりました。
また、昨年の3着馬メイショウハリオも母父はマンハッタンカフェで、4連覇のオメガパフュームの母父はダート中長距離の大種牡馬ゴールドアリュール。過去5年の3着内馬15頭中13頭はサンデーサイレンスの血を内包しており、北米血脈のワンペースなスピードだけではゴール前で苦しくなってしまうのが東京大賞典というレースです。
◆中長距離血統の好走馬(一例)
ケイティブレイブ
→母父サクラローレル
オメガパフューム
→母父ゴールドアリュール、母母父リアルシャダイ
ウェスタールンド
→父ネオユニヴァース
クリンチャー
→父ディープスカイ、母父ブライアンズタイム
ウシュバテソーロ
→父オルフェーヴル、母父キングカメハメハ
ノットゥルノ
→父ハーツクライ
メイショウハリオ
→母父マンハッタンカフェ
~不器用な馬が激走!?~
東京大賞典に限らず、地方交流重賞では不器用な馬が穴を開けやすいことも重要なポイント。小回りコースが多い地方競馬場の方が器用さを求められやすいと誤解されがちですが、力差が大きいため馬群がバラけやすい地方交流重賞よりも、フルゲートの多いJRAダート競馬の方が器用さが重要な資質になります。
逆に、逃げ馬や追い込み一手の馬が大幅にパフォーマンスを上げるケースが、地方交流重賞におけるメジャーな穴パターンといえるでしょう。4連覇のオメガパフュームがその代表例であり、メイショウハリオ、ウェスタールンド、ノンコノユメ、サウンドトゥルー、アポロケンタッキーなどもJRAではなかなかベストパフォーマンスを発揮し切れなかった馬たちです。
~今年から3歳馬の斤量が1kg増に~
最後に3歳馬のエイジアローワンスについて。昨年まではチャンピオンズCが1kg減、東京大賞典が2kg減でしたが、2023年からは東京大賞典も1kg減に。
今年はチャンピオンズC・3着馬ドゥラエレーデ、無敗の三冠馬ミックファイアという過去最高レベルの3歳勢の参戦ではありますが、3歳馬の好走のハードルが高くなったことは間違いないでしょう。このハードルを難なく越えてくるようなら、来年のダート中距離路線は同馬が中心となりそうです。
【東京大賞典の最終見解】