プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは皐月賞の展望です。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
──今回は皐月賞の展望をお願いします。
双馬:今年の3歳牡馬は当初レベルが高いのかなと思ったんですが、出揃ってみると平均ぐらいという印象で、能力が突き抜けた馬もいません。牝馬にホープフルSを取られているぐらいですからね。僕のなかでの現時点の格付けはこのようになっています。
──A評価が3頭、B+評価が2頭で、いずれも皐月賞に出走予定ですね。
双馬:ただ、僕は「一番強い馬に本命を打ちます」というタイプの予想家ではありません。ローテと適性で能力を出せるかどうかに着目していますから、A評価、B+評価のなかでも軽視する馬がいます。
──では、1頭ずつ見解を聞かせてください。まずはシンエンペラーからお願いします。
双馬:シンエンペラーは能力上位の馬のなかで一番不安要素が少ないと思います。なので、馬券の軸としてはいいのかもしれませんけど、1着になる可能性となるとそれほど高くはないのかなと思っています。
良馬場でも強い競馬をしましたし、弥生賞みたいなタフな馬場でも能力は出せているので、どちらの馬場でもこなせると思いますけど、他に高速馬場が得意な馬、タフな馬場が得意な馬がいるので、突き抜けるイメージはないですね。
──欧州血統だからタフな馬場が合うという感じではないんですか?
双馬:血統の割に重い馬場が得意じゃなかったな、というのが弥生賞を見た感想です。
──朝日杯FSの勝ち馬、ジャンタルマンタルはA評価ですね。
双馬:ジャンタルマンタルをA評価にしているのはマイルで強いからです。ハイレベルだった共同通信杯も折り合いを欠きながら32秒6の脚を使って2着なので評価できるんですけど、2000mになったらパフォーマンスを落とす可能性の方が高いと思っています。
初の2000m戦が急坂のある中山芝2000mというのはツラく感じますし、しかも前走がドスローなので、スタミナ面での証明はされていません。良馬場の高速決着なら来てもおかしくないと思いますけど、雨が降った時点で軽視でいいと思っています。
──ホープフルSの勝ち馬、レガレイラは3歳牝馬の格付けでA評価でしたね。