競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回も前回に引き続き「ルメール騎手」を取り上げます。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
さて、前回(※)はルメール騎手を攻略するとして、現在の買いポイントを3点挙げました。今回はその第2回、危険な条件をもう少し掘り下げていこうと思います。
(※)【第73回】ルメール騎手を攻略する・その1&弥生賞のジョッキー展望/TAROのジョッキーズファイル
そもそも…の話になりますが、アスリートは年齢的な衰えが出てくると、徐々に得意分野に特化していくことになります。
例えばロンドン~リオとオリンピックの個人総合を連覇した体操の内村航平選手は、ベテランとして迎えた東京五輪では鉄棒に専念して臨みました。20世紀末の世界的なアルペンスキーヤーで、スラロームからダウンヒルまでこなすオールラウンダーとしても知られたマーク・ジラルデリも、やはり晩年はスピード系種目であるダウンヒルよりも技術系種目であるスラロームでの活躍が目立ちました。
全盛期はどんな状況でも期待に応えられる。ですが、キャリアの後半に差し掛かると得意分野に特化していく…これは自然なことです。
ただし、騎手の場合は少し事情が異なる。いわずもがな、得意分野にだけ騎乗するということはできないのです。東京が得意であっても、東京以外乗らないという騎手はいないですから。結果を出せる条件、出しづらい条件が鮮明になっていくのも無理はありません。
ルメール騎手はまさにそういう状況に差し掛かっている。だから得手不得手の見極めさえしておけば、馬券にもより有効活用できるのではないか…というのが今回2度にわたって取り上げた最大の理由です。
前置きが長くなったので本題に入ります。
~ルメール騎手がもっとも苦手な条件とは?~