競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回取り上げるのは「田口貫太騎手」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
スプリンターズSは川田騎手騎乗のママコチャが勝利。好位からソツなく抜け出す横綱競馬で、最後は迫って来たマッドクールをハナ差退けました。先週は平日から毎日、川田騎手のインタビューを聞いていたような気がしました。
2着マッドクールの坂井瑠星騎手も見事でした。坂井騎手は立ち回りの上手さが武器で、重賞では内枠の成績が良い騎手。当然、内が伸びる馬場が得意です。マッドクールでもスッとインに入れて完璧な立ち回り。勝ち馬には及ばなかったものの、最高のコース取りだったと思います。
さて、そんなG1の裏開催・阪神で目立つ活躍を見せたルーキー騎手がいました。その人、田口貫太騎手が今回のターゲットです。
~3キロ減返上も間近、▲田口貫太騎手の凄さ~
手前みそにはなりますが、実は田口騎手を当コラムではいち早く取り上げていました。今年の3月16日、まだデビューから2週間足らずの時期です。その際には、以下の4点をポイントとして挙げました。
・ルーキーながら差し馬を持ってこれる
・特にダートでの差し馬に注目
・昨今増えてきた外が伸びる(走りやすい)ダートで特注
・現状は人気薄が多く、穴で注目
▼参考記事
【第75回】ルーキー騎手を攻略する~差せる新人・▲田口貫太騎手~&阪神大賞典展望/TAROのジョッキーズファイル
わざわざ未勝利のルーキー騎手をデビュー間もない時期に取り上げたことには、当然、それなりに可能性を感じたためです。
そしてデビューから7か月ほど経ちましたが、先週までに22勝を挙げる活躍を見せ、徐々に「乗れる新人」として認知されつつあります。
~特筆すべき人気馬での信頼度の高さ~
その中でも特筆すべきは人気馬での安定感です。
▼デビュー~先週までの田口騎手のオッズ別成績
・~3.9倍
→【10-4-2-0】勝率62.5% 3着内率100%
・4.0~9.9倍
→【7-10-3-20】勝率17.5% 3着内率50%
ご覧の通り、まず単勝4倍未満の馬には16回騎乗して一度も馬券圏内を外していないのです。さらにひとケタオッズまで広げても高確率で馬券に絡んでいることがわかります。
当然、上記の馬を買い続けた場合の単複の回収値はプラス。
「人気の貫太は黙って買え」
ということで現状は間違いありません。
穴馬をたくさん持ってくると目立ちますが、技術的なことでいえば、人気馬を確実に走らせられることはより重要。期待される場面でキッチリ力を出せているというのは、準備やメンタル、頭脳という点で水準以上のものを持っている証拠だと考えられます。
~折り合いの上手さが生きる距離延長~
もっとも、これだけではただデータの数字を羅列しただけ。今度はアナログの面から田口騎手の上手さを考えてみます。