競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回のテーマは「」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
チャンピオンズカップは坂井瑠星騎手が騎乗したレモンポップが、懸念された大外枠から逃げの手に出てそのまま押し切り勝ち。内ラチを思い切って取りに行ったジョッキーの判断が素晴らしかったですし、それに応えるだけのスピードと操縦性を兼ね備えたレモンポップ自身も素晴らしかったですね。
そして、驚きだったのが2着に突っ込んだウィルソンテソーロ。今回は原騎手の騎乗ということもあり12番人気、単勝オッズ92倍と人気を落としていましたが、道中はインで我慢すると、直線外に持ち出し強襲。勝ち馬にこそ届かなかったものの大波乱の主役になりました。
原騎手のG1騎乗は今回が通算2度目。1度目は昨年の阪神ジュベナイルフィリーズ。騎乗したミシシッピテソーロは16番人気ながら5着と健闘。当時も道中は馬群で我慢すると、直線外に持ち出して伸びてきました。
まだ騎乗数は多くないとはいえ、騎乗した2度のG1でド人気薄馬ながらともに見せ場を作っているのですから、これを偶然として片づけるわけにはいかないでしょう。というわけで、今回は「旬の男」原優介騎手を分析してみます。
~地道に勝ち星を伸ばしている~
原騎手は現在4年目。デビュー年は3勝と苦戦しましたが、3→16→14勝と来て、4年目の今年はココまで25勝。地味ながら着実に勝ち星を伸ばしてきています。
当コラムでも昨年の5月に一度取り上げていますので、まずはその際の内容を振り返ってみましょう。当時は以下のようにまとめました。
・元水泳部で追う力を秘める
・逃げか追い込みか、決め打ち系の騎乗
・特に差し追い込みでの穴で注意
・人気馬騎乗機会は少ないが意外なほど堅実で信頼度◎
・知名度まだ低く穴で買える機会多い
★【第31回】原優介騎手~元水泳部仕込みのパワー溢れる差しが光る~/TAROのジョッキーズファイル
さて、これを見ると今回のウィルソンテソーロでの穴も割と特徴に合致している気がしますね。もともと若手の中では差せるタイプのジョッキーだったのです。
特に穴が目立つのは芝よりもダートです。今年の成績を見ても以下の通り、明らかにダートの方が好成績です。