競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回のテーマは「吉村誠之助騎手~騎手プロフィールから特徴を読めるのか?、東京新聞杯展望」です。
先週はえらい目にあいました。先に謝っておきます。申し訳ありません!
とりあえず謝っとけみたいなのはあまり好きではないんですが、今回は仕方ない。
先週の当コラムにおける根岸Sの推奨馬がフリームファクシ、やや危険としたのがコスタノヴァ、アルファマムですから…。
コスタノヴァは非常に操縦性が良くて気のいい馬なのですが、それが横山武騎手でどうなのかなと感じました。ただ、ハイペースになり非常にスムーズ。スパートも待つことができました。アルファマムも同様に、厳しい流れで上手く溜めたジョッキーの勝利。見立て違いでした。
期待したフリームファクシは終始流れに乗れず。予想としては何も良いところがなかったですね。根岸Sは完全に1400m適性を問われた一戦だったので、上位馬はフェブラリーSに出走してきたとしても危ないかなと思います。
コスタノヴァもどうやらフェブラリーS参戦を決めたようですが、鞍上にも注目ですかね。
~騎手のプロフィールをじっくり見る意味~
さて、今週からは2年目ジョッキーとして吉村誠之助騎手を取り上げようと思います。高杉騎手の躍進の影に隠れる形にはなっていますが、吉村騎手もなかなかの活躍。ルーキーイヤーの昨年は33勝、今年もすでに6勝と順調なスタートを切っています。果たして特徴は?
ちなみに同騎手については昨年の春に一度取り上げていますので、そちらもご参考にしてみてください。当時から変化はあったのかどうなのか。
▼2024/4/25公開
【第120回】 吉村誠之助騎手・差せるルーキー? 天皇賞・春は乗り替わりに注目!
ところで今回は本題に入る前に、少し考えてみたいことがあります。それは、
「騎手のプロフィールから特徴を読み解けるかどうか?」
ということです。少し壮大なテーマですが、考えてみる価値があると思うんですよね。
プロフィールというのは具体的に以下のようなものです。
(1) 地縁血縁
(2) 憧れ・目標の騎手
(3) 所属厩舎
(1)は非常に大事だと感じています。やはり兄弟や親子の騎乗スタイルは似ているケースが多い。それは体型や骨格など先天的な要素もあるでしょうし、もちろん流儀や教えなど育成の要素もあるでしょう。いずれにしても影響は大きいはず。
また、親子や親族だけでなく、わかりやすいところでいえば、地方上がりかどうかといったところも影響を与えるはずです。例えば川田騎手のルーツが佐賀競馬にあるというのも、基本的にはパワー、先行を得意とする騎乗スタイルから何となくわかる気がしますよね。交流重賞に強いのも納得です。
(2)も重要ですね。どの騎手を目標とするのか。武豊騎手なのか、ムーア騎手なのか、その理由なども聞くと、目指す理想形のようなものが見えるはずです。野球選手でいえば、イチローを目指すのか松井を目指すのかで、明確にプレースタイルが変わるのと同じです。
(3)はやはり師匠の教えや乗り馬のタイプなども影響を与えますから、そこも参考にはなるはず。いわゆる兄弟子的な存在がいれば、その騎手のタイプも考えてみる余地はあります。
以上を踏まえた上で、今回は吉村騎手を見てみます。