先週は土曜に阪神でG3毎日杯が行われました。単オッズ2.0倍の圧倒的支持を集めたのは、当欄でも取り上げたキングズレイン。しかし、レースでは行き脚が鈍く後方から。勝負どころで鞍上にうながされても反応がなく12着に沈みました。
中間は熱発のため予定していた弥生賞をスライドするアクシデント。調教の動きや陣営の感触から問題なしとみていましたが、結果を見ると一頓挫あった影響は少なからずあったようです。ホープフルS・3着の実力馬ですが、春のクラシックに向けて手痛い敗戦となりました。
勝ったのは5番人気のシーズンリッチ。道中は中団のインで脚を溜めて、直線では馬群の間からしぶとく脚を伸ばしてきました。2着のノッキングポイントも実力馬ですから一定の評価はできそうですが、シーズンリッチ自身が前走のG3共同通信杯で6着に敗れていることを考えると過大評価は禁物。クラシック戦線に新星誕生!…とまでは言えそうにありません。
一方、ダート路線では面白い馬が現れました。土曜中山のオープン・伏竜Sを勝ったミトノオーです。前走の黒竹賞に続いてハナを奪うと、後続を寄せつけることなく逃げ切り勝ち。中山ダ1800mの勝ち時計1分51秒9は、同日の古馬2勝クラスを0秒6上回り、翌日のG3マーチSともわずか0秒5差の好時計でした。控える形になった際の不安や、違うコースや距離への対応は未知数ながら、ポテンシャルの高さは間違いありません。
さて今週は桜花賞前のひと休み。3歳の重賞やオープンは行われませんが、日曜中山では山吹賞が行われます。近年はそこまでの大物は登場していませんが、かつてはシンボリクリスエスやゼンノロブロイがここからG2青葉賞を連勝。スターダムに駆け上りました。混戦ムードの牡馬クラシック路線だけにしっかりチェックしておきたいところです。
今週は桜花賞前のひと休み。かつての出世レース・山吹賞の気になる1頭とは!?/東スポ・藤井記者の“若駒”生情報!
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藤井真俊
東京スポーツ新聞社・レース部記者。昭和55年4月8日生まれ、埼玉県出身。美浦トレセンで毎週取材を続け、蛯名正義調教師や三浦皇成騎手のコラムを担当するほか、週末には予想コラム「ザ・飲ンフィクション」を連載中。「BSイレブン競馬中継」「ラジオ日本 土曜競馬実況中継」解説者。そのほか雑誌「Number」やキャロットクラブ会報、netkeibaなど各種媒体で執筆中。