東京スポーツ・藤井真俊記者によるPOG最新情報。今回は先週のクイーンC、共同通信杯の振り返りと、今週日曜東京で行われるヒヤシンスSの注目馬です。現場記者だからこそ聞ける話は必見です!
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先週は土曜東京でGIII・クイーンC、日曜東京でGIII・共同通信杯と、2つの3歳重賞が行われました。
まずはクイーンC。過去10年ではメジャーエンブレム、クロノジェネシス、アカイトリノムスメと、3頭のGI馬を送り出しています。
勝ったのは3番人気のエンブロイダリー。好スタートから道中は2番手で抜群の手応え。そのまま最後の直線に向かうと、ラスト2Fで先頭へ。その後は後続を寄せつけず2着馬に2馬身半差をつけてフィニッシュしました。
勝ちタイム1分32秒2は2016年のメジャーエンブレムを0秒3上回るレースレコード。時計に関しては馬場の影響もあるので手放しでは褒められませんが、ラップを振り返ると前後4F45.7-46.5秒の前傾ペース。勝ったエンブロイダリー以外は先行馬総崩れだったことを考えると、数字や着差以上の完勝と言えるでしょう。
レース後のルメール騎手の「ずっといいペースを維持できます」とのコメントから、好走するにはポジショニングや展開がポイントになりそうですが、型にハマった際の強さはGIの舞台でも十分に通用しそうです。
同じく出世レースの共同通信杯は3番手から運んだマスカレードボールがV。勝ちタイム1分46秒0は2013年のメイケイペガスターと並ぶレースレコードタイでした。
前出のクイーンC同様、速い時計の出やすい馬場コンディションだっただけに、数字だけで評価するのは禁物。しかし、直線で内から抜け出しを図った2着馬を差し返した内容や、坂井瑠星騎手の「直線を向いても余裕があって、ブレーキをかけるような感じでした。それでも内から来た馬を見て、もう一度伸びてくれました」との言葉からは、1馬身という着差以上の奥行きが見えてきます。
半姉は一昨年の秋華賞で2着に食い込んだマスクトディーヴァ。頭の高い走法や、気性面の若さなどまだ課題も散見されますが、逆に言えば伸びシロの大きな1頭と言えそうです。
さて今週は日曜東京で古馬のダートGI・フェブラリーSが行われますが、3歳戦においては重賞が行われない“谷間”の1週間となります。
しかし、同日に東京で行われる3歳オープン・ヒヤシンスS(ダ1600m)はダート部門の出世レースとして知られており、過去10年の勝ち馬からはゴールドドリーム、カフェファラオ、ラムジェットが後のGIホースとなっています。