東京スポーツ・藤井真俊記者によるPOG最新情報。今回はフィリーズレビュー、弥生賞の振り返りと、今週日曜中山で行われるスプリングSの注目馬情報です。現場記者だからこそ聞ける話は必見です!
藤井真俊記者の最新記事や予想等はWebサイト「東スポ競馬」でご確認ください。
先週は土曜阪神でGII・フィリーズレビュー、日曜中山でGII・弥生賞と、2つのクラシック・トライアルが行われました。
フィリーズレビューは3番人気のショウナンザナドゥが後方待機策から差し切り勝ち。関東遠征でテンションが上がり、体も減らしたGIII・クイーンC(9着)からの巻き返しに成功しましたが、今回は前3F33秒2の超ハイペース。2着にも後方から追い込んだ14番人気・チェルビアットが入ったことを考えると、展開の恩恵があったことは否めません。
加えて、このレースは直線でスムーズさを欠いた馬が多く、1番人気ルージュラナキラ、2番人気インプロペリア、4番人気リリーフィールド、5番人気ランフォーヴァウら、上位人気勢はこぞって消化不良の立ち回りに…。
これらを踏まえると、この一戦だけで勝ち馬を“新星誕生”とは持ち上げられませんし、敗戦馬の中に今後巻き返す馬が潜んでいる可能性もあるように思います。
一方、弥生賞も7番人気の伏兵・ファウストラーゼンがV。前走のホープフルSと同様、向正面で後方から一気に先頭に立つ“マクリ戦法”で重賞タイトルを手にしました。
走破タイムは前走の2分01秒0に続いて、今回は2分01秒3。時計のかかる馬場が合っていた可能性もありますが、2戦続けての好走は同馬の特異な戦法を世間に知らしめるには十分でした。本番の皐月賞でも展開のカギを握る1頭となることは間違いなさそうです。
2着には先週の当欄でもご紹介したヴィンセンシオ。逃げの手に出たものの、結果的にはファウストラーゼンの手玉に取られてしまいましたが、葉牡丹賞の1分58秒8とは全く違う2分01秒3のタイムでも好走できた点は収穫でした。スパッと切れるような決め手に優れたタイプではありませんが、器用さや相手なりに走れるしぶとさは大一番で生きるかもしれません。
さて今週は日曜中山でGII・スプリングSが行われます。過去10年の勝ち馬から春のクラシックを制した馬はいませんが、“経由馬”という括りで見ればエポカドーロを筆頭に、キタサンブラックやリアルスティール、ヴェルトライゼンデなど、春のクラシック勝ち馬や好走馬が何頭もいます。
今年は本来、ひいらぎ賞をレコード勝ちしたデンクマール(牡、田中博)が最有力と目されていましたが、心房細動のため所属クラブから回避が発表。これにより一転して混戦ムードとなりました。