Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第52回目のトークテーマはビッグアーサー。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
亀谷敬正(以下、亀):サクラバクシンオー産駒らしく、1200mのスペシャリストですよね。
今井雅宏(以下、今):いろいろな意味でお父さんを一回りコンパクトにした感じだよね。闘う意欲(S質)が旺盛だけど、まじめさやまとまった部分もある。S質、気持ちをコントロールするにはやっぱり短縮になるよ。揉まれても大丈夫なんで、前走よりハイペースで出入りの激しい競馬の馬群に突っ込んでも問題ないから、余計に短縮は向いてくるんだ。
亀:ブレの少ない複勝回収率だと、同距離と延長は約60%ですが、短縮は94%もあるのでかなり差が出ますね。
今:芝の延長だとまだ勝ってないくらいだしね。
亀:1200mがベストな上に、距離が延びる方が競馬のレベルも上がるので、余計に延長は厳しくなりますね。
今:デビュー間もない時期や休み明け、前に行く位置取りショック、ダートからのショックとかでフレッシュさがある状態なら多少狙えるけど、鮮度が薄れての延長だと心身両面で道中の我慢が効きにくくなってくるよ。
亀:1200mが得意な血統も、サドラーズウェルズの血が入ってくると遅くなるというか、スピードが弱くなるんですよね。そのぶん消耗戦で強くなるわけですが。
今:良馬場より稍重や重の方が成績も良いよね。あんまり重過ぎると今度は体力的な問題も出てくるけど。だからスピードの絶対値に頼る競馬より、前に馬を置いて追いかける競馬でしぶとさを活かした方が上のクラスでも通用しやすい。
▲ビッグアーサー産駒 芝の馬場状態別成績
あとS質が強い血統は、道悪とか逆に超高速馬場とか、特殊な状況を目一杯走って強いんだよね。それでビッグアーサーも高速馬場にも適性があるんだ。速い馬場だとペースも速くなりやすいから、必然的に得意な消耗戦になるケースが多いのもあるし。
亀:使われながら上昇するのも特徴です。新馬より3戦以上した未勝利戦の方が成績も上になりますし。新馬は複勝回収率32%ですが、未勝利戦だと75%もあるので、2倍近く差がついてます。