Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第59回目のトークテーマはコパノリッキー。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
亀谷敬正(以下、亀): コパノリッキーは米国の短距離要素が全然ない血統です。米国型血統は1800mまでだと強いですが、1900mを超えると失速することが多いです。一方、コパノリッキーはヨーロッパ血統と日本の砂血統を合わせたような配合なので、1900m以上なんか向きますよ。出走数が少ないのに2400mではもう2勝しています。
今井雅宏(以下、今): いまいちダート馬としてはスピードの乗りが悪いよね。だから短縮でも、1600m以下の主要距離だと、どの距離も複勝率2割以下だけど、1700mを超える短縮はかなり安定感が出てくる。複勝率では4割を超えているよ。
▲コパノリッキー産駒 ダート距離短縮時の成績
亀: 短縮は走りますね。1700mの短縮は複勝率が5割もあります。
今: MでダートS系というんだけど、このタイプは気分転換や目先の変化を特に好むので、距離変更、中でも短縮は、流れに上手く乗れさえすれば激走率が高くなるんだよね。
だけどスピードについて行けないケースも多く、短い距離だとハマるか惨敗か極端で、安定感には欠く。このあいだ、福島ダート1150m(7/15・米沢特別)でコパノパサディナっていう産駒が1400mからの短縮で単勝2.4倍の断然人気だったんだ。で、少し怪しいからパロットビークっていう穴馬から入って万馬券を当てたんだよ。
亀: お、単勝55倍の超人気薄で2着に激走してますね。
今: こっちも短縮だけど、ハーツクライなんだよね。1150mは中途半端な距離で、結構スタミナも必要なのでハーツクライみたいな血統は走りやすい。その辺は1000mにも通じるけど、芝スタートのぶん、よりハーツクライも対応しやすくなるんだ。
亀: それとコパノパサディナは510キロ台の大型馬ですね。
今: 大型馬だと良くない?
亀: コパノリッキーは、小型馬でコンパクトに作ったほうがキレを補えますし、長所も削がれにくいんですよ。だから小さい牝馬に付けたほうが良さが出ます。特に短縮なら大型馬より小型馬が向きますよ。
今: 確かに産駒の戦績を見ると、大型馬はかなり不器用で、短縮だとスムーズに流れに乗れない形での2、3着が多くなってるね。
あと気分転換という意味では、位置取りショックも好きだよ。特に極端な脚質で精神コントロールさせる形が合う。ただ馬群は結構対応するけど。
亀: データ的にも内枠は穴が出てますね。
今: 内枠から逃げちゃう形で、ダッシュ力不足を補うパターンも多いけどね。それと1600mは結構穴が出てるよ。東京の忙しすぎない流れにスムーズに乗る形で激走しやすい。
亀: 逆に1400mは極端に勝率が落ちますよね。この舞台は米国型のスピードの持続性が発揮しやすく、それが足りないコパノリッキー産駒は、なかなか勝ちきれない要因になっています。