Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第64回目のトークテーマはダンカーク。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
亀谷敬正(以下、亀): ダンカークは、父がアンブライドルド系で母父もエーピーインディ系。アメリカダート中距離の良血配合です。ただしYouTube『亀谷敬正の競馬血統辞典』でもいつも言ってますように、日本とアメリカではダートの性質が違うところが難しいんです。
今井雅宏(以下、今): 中途半端なところはあるよね。芝もダートも同じように走って。
亀: そうなんです。だいたい日本の芝とアメリカのダート中距離って皆が思ってる以上に紙一重ですし、日本の砂中距離とアメリカのダート中距離も適性は結構違うんですよね。
そして、ファピアノもエーピーインディも日本芝でスピードを強化するには重要な血なわけですが、日本の砂適性がずば抜けて高い配合ではない。配合はスワーヴリチャードに似たところがあるんですよね。スワーヴリチャードをややダート寄りにしたタイプです。
今: スワーヴリチャードは母父がアンブライドルズソングだね。
亀: ダンカークの導入を推薦したアドバイザーとスワーヴリチャードを推薦したアドバイザー、同じ方なんですよ(笑)。晩成型という面でも同じです。
今: ダートだと5歳以降のほうが勝率は落ちるけど複勝回収率は高いくらいだもんね。ダート馬としてはそんなにダッシュ力はないから内枠でスッと先行する形が取りにくい。ただ、特別揉まれ弱いタイプでもないんで、中枠くらいが一番競馬しやすいよ。外々を回って勝ちきる体力があるかというとそれはそれで微妙なんで、外枠は上手く先行出来たときか逆にタメるとか、注文をつけて乗っての嵌まり待ちになりやすいんだ。
亀: 日本の砂だと体力不足の面はありますね。特に日本の短距離ダート向きの体力があまりないですよ。
今: 軽い馬場のほうが走るしね。連対率で見ると、良11.3%→稍重14.3%→重15.4%→不良19.6%だから、軽ければ軽いほど綺麗に数字が上がっているよ。
亀: 砂適性の低いアメリカ血統の典型的な傾向ですね。勝率は短距離より1600m以上のほうがかなり上がるタイプで、古馬混合戦の中距離向きですね。特に下級条件が面白いです。