Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第68回目のトークテーマはカレンブラックヒル。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
亀谷敬正(以下、亀): 先週は儲かりましたねー。今井さんも、今月もさすがの的中を連発されています。先週もそうでした。これまでの連載で伝えた理論を使って穴馬券の的中をたくさん実証してきましたから、そろそろ最近起きた競馬の事象も議論しながら、血統の分析をしてもいいんじゃないでしょうか?
今井雅宏(以下、今): それなら今回はカレンブラックヒル産駒の危ない産駒が出ていた先週の木更津特別を議論してみようか。
亀: 12、7、8番人気の決着で大荒れのレースですよね。これはいいレースだと思いました。今井さんの『競馬放送局』の予想を見ると、かなり稼いだんじゃないかと(笑)?
今: 予想の上位評価4頭中2頭で決まったんだよ。本命が消えたから予想自体は外れだけどね。
亀: 勝ったセンタースリールはなぜ評価できたんですか?
今: 4走前までダート中距離を使って、ここ3戦は芝1200m。今回と全く条件が違うんで鮮度が高く、またS質を刺激して馬が活性化している。こういうときのダート血統は芝の距離変更ショックでの消耗戦は激走しやすいんだ。
亀: なるほど。亀谷競馬サロンメンバーでも勝ち馬の単勝79.8倍を買っていた人がいました。「亀谷競馬サロン」にはMの熱心なファンが何人もいて、『木更津特別みたいなのは、単勝爆弾で取りましたよ』って話をされていました。
今: おお~、凄いね(笑)。よく勉強して使いこなしている人がいるんで侮れないよ。確かに人気馬がみんな危ないレースは、単勝多点買いの「単勝爆弾」という馬券戦略が基本になる。
亀: このレースは、人気馬がみんな危なかったんですよね。なかでも2番人気グラニットは危ない。「亀谷競馬サロン」でもレース前に解説しました。『51キロで逃げて6着(前走)なんて、ここにいる馬のレベルならだいたい来れる』って。
今: 重賞を頑張った心身疲労もあるし、ダッシュ力もそんなにないんで先行馬の多い多頭数では自分の競馬が出来ないしね。
亀: こういう馬を「格上だから」と人気に祭り上げられるレースは本当においしい。残りの馬の単勝や3連複の期待値が格段に上がります。
今: 3番人気のミスヨコハマも危ないよ。
亀: これがカレンブラックヒル産駒ですね。ボクは常々「消し血統を知ることが大事」だと伝えているんですが、これは危険だったんですね。
今: カレンブラックヒルは、短縮適性の高い種牡馬なんだよね。だから短縮で激走した後は、ストレスで危ない。
亀: しかもこの馬も、前走逃げて好走してますもんね。「恵まれた逃げの次走は危ない」。この馬券格言を満たす馬が人気で複数出ている。
今: 以前話をした「逃げられなかった逃げ馬」で激走した後だから、余計に危ないよ。
亀: こういう人気馬が危ないレース、特にハンデ戦では、ボクは「単勝爆弾以外」でも「3連複の3列目全流しフォーメーション」も推奨しているんですよ。1、2列目はバイアスに合った馬を入れて、3列目はグラニットとかミスヨコハマとか、来ない人気馬を全部外して、残りを全部買う。
こういう風に100点買っても期待値が高いレースを「選べる」ことが、Mの法則や「危険血統」の醍醐味だと思うんです。少ない点数の人気寄りの予想で回収率100%前後の予想と、100点買っても100%を超える予想は回収率は同じでも、予想、情報の価値が全然違うんですよね。もちろん価値があるのは、たくさん買ってもプラスになるレースの情報です。
今: その話は奥が深くて長くなりそうなんで、また来週にしよう(笑)。カレンブラックヒルも見ていかないと。亀谷君はどんなタイプと判断している?
亀: ダイワメジャーでは特別なタイプですね。母父グラインドストーン、母母父ストームキャットですからダート短距離向きです。グラインドストーンは、産駒の10勝中8勝が1400m以下のダートですよ。そういう配合なので4年連続でダートはプラス回収ですから。
今: それは強烈だね。