競馬予想TV!などのメディアで活躍中のキムラヨウヘイ氏と、競馬雑誌・サラブレの人気長寿企画「金満血統王国」でお馴染みの大臣によるクロストークコラム『競馬“真”格言』。
今回のトークテーマはフェアリーS。果たしてどのような格言が提唱されるのか、ぜひお楽しみください!
なお、『競馬放送局』ではキムラヨウヘイ氏の重賞予想、平場推奨馬を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
大臣:今週はさっそくフェアリーSの真格言にいきたいと思います。
【格言】 かつては大型馬&中距離歴戦馬→今は大型馬&短距離歴戦馬が激走パターン
キムラ:3歳を迎えたばかりで体力的に未完成なこの時期の牝馬にとって、酷な冬場のタフ馬場かつ急坂の中山マイルは、パワーとスタミナの担保がある“馬格のある馬”と、以前までは“中距離歴戦馬”の好走が目立つレースでした。
▲過去10年のフェアリーSの馬体重別成績
※基本的に大型馬は買いでも、そもそも競走馬としての資質を欠く超大型牝馬はその限りではない。
大臣:2年前にやったフェアリーSの真格言は「大型馬と中距離歴戦馬が2大激走パターン」だったよね。
▼参考記事 2023/1/5公開
毎年少数ながら激走を果たしているフェアリーSの穴パターン
キムラ:実際、2015年は前走で最も長い距離(2000m)を走っていたローデッドが8番人気2着、2016年も前走で最も長い距離(2000m)を走っていたダイワドレッサーが10番人気2着。
2017年は前走で最も長い距離(2000m)を走っていたライジングリーズンが12番人気5着、それに次いで2番目に長い距離(1800m)を走っていたモリトシラユリが7番人3着。
2021年は前走で最も長い距離(1800m)を走っていたホウオウイクセルが8番人気2着。2022年も前走で最も長い距離(2000m)を走っていたライラックが5番人気1着。出走メンバーで最も中距離での実績&経験で強調できる戦歴の持ち主が高頻度で激走しています。
それに当てはまらなかった年についても、2018年はそもそも前走距離1800m以上を走っていた馬が1頭もおらず、2019年も前走距離1800mを走っていた馬が1頭しかおらず、2020年も前走距離1800mを走っていた馬が2桁人気馬の2頭だけという、情状酌量できる年でした。まともな候補馬がいれば必ずと言って良いほどに激走を果たしています。
大臣:ところが2年前のフェアリーSは「1~4着がみな芝1200経験のある馬」だったんだよね。これは「ハイペースでタフさよりスピードが問われた」特殊な展開の結果で、今後も中距離実績馬優勢な傾向は変わらないだろうという話を翌週の冒頭でしてたね。
▼参考記事 2023/1/12公開
日経新春杯が行われる年始開催の中京芝で注目の傾向
キムラ:ですから、この2年前辺りから、フェアリーSの“潮目”が変わったという捉え方をしています。近年は決着時計が速くなるに従って、中距離歴戦馬が走りやすいシチュエーションが問われづらくなってきており、むしろ今は走力に勝り、完成度でも勝る傾向にある短距離歴戦馬の方が走りやすいシチュエーションになりつつあります。
2022年以前でも時計が速かった年(2016年、2020年、2021年)は、3着内好走馬9頭中4頭が前走で1400m以下を走っていた距離延長ローテ馬でした(4頭中3頭は5番人気以下の穴馬)。
そして本格的に馬場とペースが速くなった一昨年以降の2023年と2024年は、3着内好走馬6頭中3頭が前走で1400m以下を走っていた距離延長ローテ馬です(3頭全て6番人気以下の穴馬)。このタイプが更に幅を利かしてきているという状況が読み取れます。
大臣:今年の開幕初日の中山8R、2勝クラスの芝1200mで1分7秒1という時計が出てビックリした。今年の冬の中山芝はかなりの高速馬場だよね。実は去年もかなりの高速馬場で、勝ち時計が1分34秒0と過去10年で最速タイの時計だったけど、今年も速い時計の決着になりそうだよね。
キムラ:そうですね。去年は大型馬かつ短距離歴戦馬に当てはまる6番人気2着のマスクオールウィン(492キロ、前走芝1200m)を一本釣りという予想をしましたが、2025年も「馬格のある馬」と「短距離歴戦馬」の2つの激走パターンに当てはまる馬に最注目です。
大臣:具体的にどの馬が狙い目になる?