競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマも前回に引き続き「ダートの砂厚」について。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
前回のコラムで現在、JRAすべての競馬場のダートコースの砂厚は9cmに統一されていることをお伝えしました。今回は、JRAではその砂厚をどうやって管理しているかをご紹介しましょう。
現在、JRAでは開催日前の平日にレベルハローという機械で砂厚調整を行っています。
ダートコースの路盤には雨をスムーズに排出するために勾配がついており、内ラチ側と外ラチ側が低く、馬場の真ん中が一番高い構造になっているのをご存じでしょうか。そのため馬がレースを走った後やレース後にハロー掛けを行うと、少しずつ砂が内側へ移動していくため、砂厚が均一ではなくなることがあります。そのため平日に砂厚を元の9cmに揃える作業を行っているという訳です。
当初、私はこのレベルハローがダートを1周回ると砂厚調整は終わるのだろうと思っていたのですが、一度ですべてを均一にするのは難しいとのことで、何周も回るのです。それも、その間に風や雨で砂が移動することもあるため、開催競馬場の砂厚管理は基本的に火曜から金曜まで行われ、最後まで理想の状態が追及されています。
さらに、レベルハローでの砂厚調整が終わった後は砂厚測定機で砂厚をチェック。誤差があった場合は再調整するという徹底ぶりです。