競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは先週から開幕した「中京芝」について。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
先週から始まった2回中京開催。芝のレースは10鞍組まれ、逃げ2勝、先行2勝、中団4勝、後方2勝。開幕週で土日とも良馬場でしたが、時計が少しかかり、差し系も来ていましたね。クッション値が昨年の同時期より低め(つまり軟らかい)だったことなどが影響したと考えられますが、その考察はのちほど触れることにして、まずは2回開催前に芝コースで行われた馬場作業をご紹介しましょう。
京都の代替開催により西日本の競馬場では開催日程が増えており、JRAでは芝を良好な状態に保つため、阪神や中京では冬にも芝の張替を行うようになりました。
中京では昨年の2回中京開催前に初めて冬の芝張替を実施。馬場担当者に取材したところ『昨年、冬期に行った芝張替が有効だったことに加えて、12月から1月における開催で芝の傷みが昨年以上に進んでしまったため』との理由から、今年の2回中京開催前にも芝張替が行われました。
今年、張替えられた箇所は3コーナー入り口から正面直線の中ほどまで、計4200m2。幅は3~4コーナー部分が内から5.4m、直線部は内から8.1m。今年も中京競馬場内にある芝の養成地から、6cmの厚さで切り出した芦原産野芝が使用されました。
去年は3コーナー手前から4コーナー内側、計4000m2(幅は約6m)の張替を実施。一方、今年は3~4コーナー部の張替幅は昨年よりも狭まっているものの、直線部の中ほどまで張り替えられており(内から8.1m)、それが去年との相違点となります。先週のレースを見ていると、勝ち馬は正面直線の内側~5分所を通っており、やはり張替えた箇所が良いのだなという印象を持ちました。
ただ、開幕週にしては差し系も来ていましたよね。それを紐解く鍵が…