競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは今週末にグランドオープンする京都競馬場について。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
京都競馬場が2年半にわたる大規模改修を経て、いよいよ4月22日、グランドオープンを迎えます。実際に馬場はどこが変わったのか。今週と来週の2回にわけて、その詳細をお伝えします。
まず、芝コース、ダートコース、障害コースとも、レイアウトはほとんど変わっていません。スタート、ゴールの位置は以前と同じ。芝コース3コーナーにある坂も傾斜や形状は変わっていません。ただし安全面を考慮して、芝外回りコースの4コーナーを少し緩やかにしたのと、芝外回り1600mのスタート地点の外側を少し広げる工事が行われています。
一方、芝コースとダートコースでは1994年以来、29年ぶりとなる本格的な路盤改造工事が実施されました。
まず、芝コースは既存の芝を撤去、古い路盤を削り取り、下層路盤、上層路盤を一新しました。下層路盤には透水性に優れた単粒砕石(粒が揃った石の層)を敷き、その上に山砂と、山砂に土壌改良材を混ぜ合わせた層を重ねています。
そして今回の改造工事では、以前の京都にも排水性の向上を目的に芝コースの路盤に設置されていた暗渠排水材もすべてリニューアルされました。2020年秋までは馬場の縦方向に対して直角に、20mピッチで板状の暗渠材が入っていました。