競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「東京芝の排水性」について。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
先週末は阪神、東京競馬場ともに大雨が降りましたね。阪神の雨量は2日(金曜)に114.5mm。東京では2日(金曜)に162.5mm、3日(土曜)午前までに99.5mm降って、2日間の雨量は計262mmを記録しました。それでも、今の芝コースは雨が止んで、天気が良ければ乾くのが早いのです。
阪神芝は3日(土曜)の早朝は重だったものの、1つ目の芝レースが始まる前に稍重に回復し、13時44分には良になっていました。一方、東京芝は3日(土曜)朝まで雨が降って、不良でスタートしましたが、14時13分には重に回復。4日(日曜)は稍重で始まって、13時8分には良に回復。安田記念の勝ち時計1分31秒4は2013年以降、3番目に速いタイムでした。
早めに雨が上がった阪神はもちろん、東京芝も日曜には良に回復するだろうと、2日(金曜)の段階で思っていました。というのも、過去に似たようなケースがあったからです。
2019年の第4回2週目の東京競馬。この週は本来、10月12日、13日、14日の3日間開催でした。しかし、台風19号の影響で12日と13日の競馬は中止。12日の代替競馬を15日に、13日の分は21日に延期。14日は当初の予定通りの日程で行われました。結局、12日に降った総雨量は287mm。しかし、14日の朝には良に回復していたのです!(この日は3Rと4Rの芝は良で実施。8時46分に雨が降り出し、5R以降は稍重でした)。
あれだけの雨が降っていながら、中1日で良に回復していたのですから、東京芝の排水性の良さに驚かされたのを覚えています。
東京芝はなぜ排水性が良いのでしょう。