競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「新潟芝・ダート」について。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
先週、開幕した新潟競馬。アイビスサマーダッシュは外枠が総崩れで大波乱。これで3年連続、1~3枠の馬が馬券に絡んだことになります。
これは個人的な感想ですが、1000m戦も歴史を重ねてきて、騎手たちが内枠に入った際の戦法(内から外へ移動して脚をため、前が失速した残り1ハロンで抜き去るなど)を掴んできていると思います。あと、1000m戦は外枠に入った馬同士で先行争いが厳しくなりがち。ですから、先行争いに加わっていなかった内枠からの追走馬に展開が向くなどの背景も影響していそうです。
さて、その新潟芝は土曜の1勝クラスの直線1000m戦でコースレコードに迫る速い時計が出て、日曜の新馬戦で2歳のコースレコードが計時されるなど、時計が速かったですね。新潟の開幕週は速い時計が出やすいですが、今年は例年以上に高速化しやすい条件が揃っていたと思います。
というのも、新潟競馬場では7月21日(金曜)以降、まったく雨量が計測されていない状態で、開幕週の競馬が行われたのです。
真夏は芝の生育管理のため、平日の日中や土曜のレース後に散水を行っています。先週の新潟芝の含水率平均は13.425%。この数字は新潟芝の含水率分布で言うと、良馬場の平均値くらい。しかしこの猛暑では、散水した水は気温の上昇とともに乾いてしまいます。芝コースではレースとレースの合間に散水ができません。ですから、先週は乾燥した状態であったことが、高速化につながったと思います。
ちなみに、脚質別成績は逃げ1勝、先行7勝、中団5勝、後方1勝。開幕週らしく内目を通った先行系が優勢だったものの、外回りのレースでは差しも届いていました。
では、ダートはどうだったのでしょう。