競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは今週末から開幕する「小倉芝」について。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
札幌、新潟開催に加えて、今週からは夏の小倉開催が始まりますね。
小倉競馬場の芝コースの1周距離は1615.1m(Aコース)。これは福島競馬場に次ぐ小ささで、いわゆる小回りコース。直線は293m(Aコース)あり、高低差は3m。ゴールから1コーナーにかけて上り勾配があり、2コーナーから向正面960m地点にかけて緩やかな下り勾配。そこからは180mは平坦が続き、3コーナー付近にわずかな上り勾配。その後、4コーナー400m地点までは下り勾配。ゴールまでの400mは平坦です。
3~4コーナーが下り勾配で、この部分にはスパイラルカーブが導入され減速せずに曲がれるため、先行系の勝率が高いのが特徴。特に芝1200m戦は、ほぼ下り勾配と平坦のコース形状になるため、スピードタイプの活躍が目立ちます。
例年、冬と夏に競馬が行われている小倉競馬場。基本的に、芝コースは開催後半になってもそれほど荒れず、良好な状態を保ちやすいです。それは各開催の前に芝の養生期間を十分に取れるからです。
小倉では2月下旬に冬開催が終わった後、芝の張替作業を行っていますが、夏開催まで数か月間あるため、張った芝がしっかり根付きます。そして7月に入ると、真夏の日差しを受けて野芝が生長。夏の小倉は野芝のみで行うこともあり、夏開催時の開幕週は良馬場であれば、時計がとても速くなります。また、脚質別成績は先行系が優勢になりやすいものの、展開によっては差し系の出番もあります。
今期の注意点としては、3年ぶりに2月以来の開催となることです。2021年と2022年は京都競馬がお休みだった関係で、7月にも小倉開催がありましたが、今年は7月に開催がなかったので当然、昨年の同時期より芝の状態が良いです。
では、今週末から始まる夏の小倉開催、芝コースでは開幕前にどんな作業を行ったのでしょう。