競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「中山芝」について。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
先週から秋競馬が始まりました。夏競馬も良いですが、秋はG1シーズンに向けて注目馬がたくさん出走してきますから、楽しみですよね。
今回は先週、秋のG1レースに向けた前哨戦が2つ行われた中山競馬場の芝コースを振り返ります。先週、芝のレースは12鞍組まれ、脚質別成績は逃げ1勝、先行8勝、中団2勝、後方1勝。いつもの秋の中山開催らしく、内目を通った先行系が活躍しました。
中山競馬場では8日(金曜)に106ミリ、9日(土曜)に2ミリ、2日間で計108ミリもの大雨が降って、芝コースは9日(土曜)の2レースまで重の発表。5レースの前に稍重に回復しました。
ただ、雨の影響が残る中での競馬でしたが、時計はとても速かったですよね。稍重で行われたアスター賞でキャットファイトが2歳コースレコードを更新する1分33秒1で勝利。紫苑Sはモリアーナが勝利しましたが、勝ち時計の1分58秒0は、2018年に良馬場でノームコアが記録したタイムと同じで、2013年以降の最速タイ記録となります。そして良に回復した10日(日曜)に行われた京成杯AHは1分31秒6と、かなり速い時計がマークされていました。
元々、秋の中山は野芝のみの開催ですし、開催前に芝を張り替えていますから、時計は速くなります。しかし、今年の開幕週の時計が特に速かったのはどうしてなのでしょう。