競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「阪神芝」について。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
今週は18日に亀谷サロンに伺った時もお話しした先週の阪神芝コースを改めて振り返ります。
先週は3日間開催。芝のレースは17鞍組まれ、脚質別成績は逃げ5勝、先行7勝、中団4勝、後方1勝。3日間とも良で、内回りでは内目を通った先行系が活躍。差し系の勝利5勝中4勝は外回りのレースでした。
そして日曜メインのローズSでは勝ったマスクトディーヴァがJRAレコードとなる1分43秒0で勝利。また土曜11レースのケフェウスSではコースレコードタイがマークされるなど、先週は開幕週以上の高速馬場になりました。
9月に阪神開催があるのは2019年以来。その2019年9月の阪神開催では開幕週に行われたセントウルSでタワーオブロンドンが1分6秒7のコースレコードで勝利。2週目のローズSではダノンファンタジーが当時のコースレコードである1分44秒4で勝利。元々、秋の阪神は野芝のみの開催ですし、開催前に芝を張り替えていますから、時計が速くなる傾向があります。
今回の4回開催の前に、阪神競馬場では芝の張替作業を実施。3回開催前にAコース部約6300平方メートル、3回開催後にBコース部を中心に約18300平方メートルの張替が行われました(3回開催を挟む形でAコース部分とBコース部分を張り替えるのは2019年時も同様です)。馬場担当者は『7月、8月とも気温、日射量が平年より恵まれ、芝の生育は順調で全体的に良好な状態です』と話していました。
走破時計に影響を与えやすいエアレーション作業はどんな内容だったのでしょうか。阪神ではクッション性を高めるために、7月に張替部を除いた箇所にシャタリング作業を実施(2019年の時も7月に実施しています)。なお、9月開催ということで芝の生育期間が短いことから、2019年の時と同様に8月のバーチドレン作業は実施していません。ということで、張替作業やエアレーション作業の内容は2019年とあまり違いがないと見ていいでしょう。
では、先週はなぜ時計が速くなったのでしょう。