競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「有馬記念が行われる中山芝」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
今週はいよいよ有馬記念ですね。“有馬良ければすべて良し”。個人的にはこのレースを当てるか否かで、年末年始の過ごし方が変わりそう(笑)。なんとか当てたいレースです。
先週、中山芝のレースは10鞍行われ(土日とも良)。脚質別成績は逃げ1勝、先行7勝、中団1勝、後方1勝。先週はAコース3週目でしたが、1着は内目を通る先行系が優勢で、差し系の2勝はミドルペースでした。
今年12月の中山開催は1週目と2週目の中間にほとんど雨が降らず、昨年の同時期より速い時計がマークされていました。先週は火曜と金曜に計22.5ミリの雨が降ったので、少し時計に影響するかなと思いましたが、ターコイズSでは1分32秒7がマークされましたし、状態の良さをキープできているようです。
この後も、雨の影響を受けなければ、この状態の良さが今年の有馬記念のポイントの一つになりそうです。
そして、最近の中山競馬場の芝コースにおける重要事項は2014年夏に路盤改造工事を実施したことです。中山競馬場では開催が冬場に集中しているという背景から、もともと芝が傷みやすく、皐月賞の頃には芝コースの内側が荒れたり、上がりがかかるレースになりやすい状況がありました。
そこで2014年の夏、15年ぶりに芝コースの路盤改造を実施。どんな工事をしたかというと、排水性が良くなるように路盤に小石の層を入れたり、暗渠管という水はけがよくなるような管を設置しました。これにより、2014年の秋競馬以降、中山芝コースは排水性が良くなりました。
この年の有馬記念で、ディープインパクウト産駒のジェンティルドンナが4コーナー2番手から、上がり3ハロンを34.1秒で勝利したのを見て、中山の芝は変わったなと思いましたね。ですから、私が中山の芝重賞のデータを分析する時は2014年以降を調べるようにしています。
2014年から2022年まで、過去9回の有馬記念の脚質別成績は