競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「今週開幕の小倉芝」について。長年にわたり“馬場"を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
2024年、最初のコラムとなります。本年も様々な馬場の情報をお届けできればと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
始めに、1月6日から始まった京都開催の芝コースについてです。レース中に芝の塊が飛んでいましたし、上がり3ハロンタイムがかかっていましたね。京都金杯レース後の騎手からのコメントには『馬場が緩い』といった内容が多かったです。
3日間とも良馬場でしたが、なぜかタイム面や、結果を出した馬の血統は重めの印象でした。この背景については現在、取材中です。準備ができ次第、当コラムでお伝えできればと思っています。
では今年最初の本題。小倉芝を取り上げます。例年、1月の第3場の開催は中京から始まることが多いですが、阪神競馬場のスタンド工事による変則開催の影響で、今年は小倉から始まります。
ということで、1回小倉初日(1/13)に行われる愛知杯は小倉での施行となります。愛知杯は2020年にも小倉で行われていたんですよね。それも今回と同じ1月開催の1回小倉の初日(Aコース1週目)。ですから、愛知杯の馬場を予想するには、ひとまず2020年の状況を確認することが得策と言えるでしょう。
まずは、今回の1回小倉開催の芝コースがどんな状態になっているかをお伝えしますね。昨年の3回開催が9月3日に終了。小倉では例年、芝の張替作業を冬開催後の3月下旬から4月下旬にかけて実施しますから、9月開催後は芝の張替は行われていません。10月中旬にオーバーシード用の洋芝の種が蒔かれ、洋芝が生長。状態は全体的に良好とのことです。
続いては、2020年の愛知杯当日の馬場を振り返ります。この日は朝から雨が降ったり止んだりで、芝は稍重でスタート。午後も雨が降り続き、愛知杯は重馬場で施行。雨が降り続き、さすがに走破時計はかかりましたが、開幕週で内目を通る馬の活躍が目立っていました(この日、芝のレースは7つあり、そのうち5勝は1~3枠でした)。
▲2020年愛知杯当日の小倉芝レース結果(スマート出馬表より)
2020年の愛知杯も1~3着を内枠馬が独占。勝ったデンコウアンジュは3枠で、道中は中団のインを追走。2着になったアルメリアブルームも3枠で、道中は内目を走っていました。そして、3着のレイホーロマンスは2枠で、向正面では内ラチから2~3頭目くらいを追走していました。
▲2020年の愛知杯結果(スマート出馬表より)
また今年は、より内枠に注目しなければならない理由があります。