競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは、外伸び傾向になっている小倉芝について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
現在開催が行われている小倉競馬場。去年と一昨年のフユコク(冬の小倉開催の略です・笑)は7週間の開催でしたが、今年は1回開催が始まった1月13日から3月3日までの8週間の開催となります。
小倉の芝コースは基本的に開催後半になっても荒れにくく、良好な状態を保ちやすいです。それは各開催の前に芝の養生期間を十分に取れることが影響しています。
小倉では例年、冬開催後の3月下旬から芝の張替作業がスタート。夏開催まで数か月間あるため、張った芝がしっかり根付いていきます。そして7月に入ると、気温が30度を超える日が出てくるので、真夏の日差しを受けて野芝が生長。野芝100%で競馬を行う夏の小倉開催は年間を通して最も良い状態。小倉は野芝の生育時期にも合致している競馬場なのです。
そして、夏開催が終わってから次の年の冬開催まで、また数か月間空きます。この間に芝をリフレッシュさせる作業を行うことで、夏開催でできた傷みが回復。かつ、秋にオーバーシードした洋芝が生長した状態で冬開催を迎えるため、1回開催も状態が良いです。
しかし・・・、皆さんご存じのように、今年は1回開催2週目の日曜日くらいから外伸び傾向が見られるようになり、3週目になると各馬が内側を開ける進路取りも出始めました。これには小倉ならではの背景があります。