競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「阪神芝の排水性」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
春は一雨ごとに暖かくなると言われますが、先週末は春を通り越して、初夏の陽気でしたね。
先週の阪神競馬場は月曜から金曜までほぼ毎日雨が降って、中間の総雨量は97ミリ。芝コースは金曜正午の段階では重でした。
私としては土曜が稍重くらいで、日曜には良になるだろうなと思っていました。しかし蓋を開けてみれば、なんと土曜の朝には良に回復。雨は先週金曜の朝には止んでいましたし、気温も上がっていたので、ある程度乾くだろうとは思いましたが、想定以上の回復に阪神芝の排水性の良さを改めて実感しました。
芝コースの排水性の向上に一役買うものに、“暗渠管”があります。暗渠排水とは主に田んぼや畑などの農地で取り入れられる手法。水はけが悪い箇所に筒形の排水管などを入れることで、水が抜けやすくなります。JRAでは競馬場によって、芝馬場の路盤に“暗渠管”を設置しています。
最初に導入されたのは1990年に芝コースが新設された札幌競馬場。札幌は“初めての洋芝馬場”ということで馬場の悪化を防ぐために、芝コース内柵沿いの下に設置されました。札幌の芝コースはこの暗渠管があるお陰で排水性が良く、1990年以降、芝コースは一度も不良になったことがありません。
現在、札幌以外で暗渠管が設置されているJRAの競馬場は、