競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「中山芝の状態」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
今週は牡馬クラシック第一弾、皐月賞が行われますね。レガレイラが76年ぶりとなる牝馬の皐月賞制覇なるか、注目が集まります。
近年、中山競馬場で行われるGIレースはこの皐月賞や有馬記念などを含めて、当日の馬場の状態が大きな鍵を握る傾向にあります。そこで、まずは現在の中山芝コースがどんな状態なのかを把握しておきましょう。
先週の中山芝はレースが9鞍あり、先行7勝、中団1勝、後方1勝。雨の影響で土曜は稍重で、日曜は重。直線では3分所くらいが一番伸びるくらいで、道悪でも外伸び傾向ではありませんでした。昨年の同時期と比べると内目が伸びており、良馬場であればまだ内が伸びそうな状態を維持しています。
振り返ると、今年の3回中山の1週目と2週目はともに速い時計の決着となっていました。3回1週目に行われた日経賞の勝ち時計は2015年以降の過去10年で2番目に速く、その翌日にあったミモザ賞の勝ちタイムは過去10年で最速。3回中山2週目の日曜に行われた安房特別の勝ち時計は過去10年で最速。
先週は道悪だったので時計の出方は少し鈍ったものの、稍重で行われた1200mの船橋S(3勝クラス)の勝ち時計は1分8秒台が出ていましたから、良になれば速い時計が出そうな馬場でした。
なぜ、今年の中山芝はここまで比較的良い状態で推移しているのか。