競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「七夕賞が行われる福島芝」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
▼新刊発売のお知らせ
小島友実さんの新刊「馬場のすべて教えます2~JRA全コース徹底解説~」が5月24日(金)に発売されました。ロングセラーとなった前作からの続編、馬場の参考書としてぜひご活用ください!
先週から夏の福島・小倉開催が始まり、本格的な夏競馬がスタートしましたね。そこで今回は今週末に七夕賞が行われる福島芝コースがテーマです。
先週、福島芝のレースは13鞍あり、逃げ2勝、先行6勝、中団3勝、後方2勝。1着13頭中8頭は4コーナーで4番手以内。開幕初日の土曜は内目を通る先行系が優勢でしたが、日曜は土曜より差し系が台頭。2~3着も含め、例年の福島開幕週の傾向とは違って、差しが届く馬場。
1着13頭中10頭は上がり3ハロンタイムが3位以内で、ある程度の決め手を発揮していた馬が勝っていました。
夏の福島競馬、開幕に向けての馬場作業は例年通り、1回福島開催後に競走により傷んだ3コーナーから4コーナーにかけての内柵沿い、および発走地点など約2600㎡の芝張替を実施。またクッション性確保のため、4月下旬から5月上旬にかけてバーチドレンによるエアレーション作業が行われました(これも例年通り)。ということで、馬場作業的には昨年と同じような状況です。
ですから、今のところなぜ今年の開幕週は差し系が台頭したのか、馬場的な要因としてははっきりしません。ほかに要因を挙げるとすれば、先週は比較的ペースが流れるレースが多かったことも影響していると思われます。
続いてはタイムです。土曜のメインレース、バーデンバーデンCの勝ち時計1分7秒0、ラジオNIKKEI賞の勝ち時計1分45秒3は、ともにレースレコードタイ。先週の開幕週は非常に速い時計がマークされていました。
福島芝コースの時計が速くなったことに関しては、馬場的にはっきりとした要因があります。