競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「函館芝コース」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
▼新刊発売のお知らせ
小島友実さんの新刊「馬場のすべて教えます2~JRA全コース徹底解説~」が5月24日(金)に発売されました。ロングセラーとなった前作からの続編、馬場の参考書としてぜひご活用ください!
今週末の中央競馬の重賞は、土曜日に函館2歳ステークス、日曜日に函館記念が行われますね。そこで今回は函館芝コースがテーマです。
先週、函館芝のレースは14鞍あり、逃げ2勝、先行8勝、中団4勝。1着14頭中10頭は4コーナーで4番手以内。Aコース4週目だった先々週は外目から伸びる差し馬が届いていた函館芝コース。先週はBコース替わりで、全体的に内目にシフト。特に良馬場だった土曜は先行系が優勢でした。
函館芝コースの幅員は29mと広いため、Bコースに替わると内側から4mの所に移動柵が設けられます。前の週までにできた傷んだ箇所がほとんどカバーされるため、例年このBコース替わり週は、良であれば先行馬や内枠馬が活躍する傾向があります。
現に良馬場だった先週土曜日は、1着7頭中6頭が4コーナーで4番手以内。1枠が3勝で4枠が2勝。逃げ、先行馬や内目の馬が台頭しました。
一方で、稍重だった日曜は土曜より中団差しが台頭。雨が降る中で行われた五稜郭ステークスは外目を伸びたキミノナハマリアが勝利。キミノナハマリアの父はハービンジャーで、2着のマイネルエンペラーはゴールドシップ産駒。函館芝コースは道悪になると、欧州血統馬が台頭しやすくなりますが、それを象徴するような結果となりました。
函館、札幌競馬場ともに、芝は洋芝を使用しており、ケンタッキーブルーグラス、トールフェスク、ペレニアルライグラスの3種混生となっています。同じ芝を使っていても、札幌より函館芝コースの方が、時計がかかるケースが多いです。
特に道悪になると時計がかかりやすく、前述した通り欧州血統が台頭しやすくなります。その理由は「馬場のすべて教えます2」に書いていますから、是非ともお読みいただければと思います。
では、今週の馬場はどうなりそうでしょうか。