競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「新潟芝1000m戦」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
▼新刊発売のお知らせ
小島友実さんの新刊「馬場のすべて教えます2~JRA全コース徹底解説~」が5月24日(金)に発売されました。ロングセラーとなった前作からの続編、馬場の参考書としてぜひご活用ください!
先週末の日曜日は久しぶりに亀谷競馬サロンのリアルサロンスペースに伺いました。その際、拙著「馬場のすべて教えます2」を3冊も買って下さった方がいて、本当にありがとうございました(そのほかにも買って下さった皆様、ありがとうございました)。
3冊買って下さった方にお聞きしたところ、『それぞれの部屋に置いて、いつでも読める状態にしたいんです』とのこと。亀谷競馬サロンのメンバーさんは競馬に対する意識が高い方が本当に多いですね。私も良い刺激を頂きました。今週も頑張りたいと思います。
さて、今週からは夏の新潟開催が始まりますね。私はこの夏も新潟競馬場へ行く予定です。しかもそのうち、1回は例の暑熱対策の一環で「競走時間の拡大」が実施される週。5R後に約3時間半の休止時間が設けられ、最終レ―スの発走は18時25分。一体どんな雰囲気の中でレースが行われるのか。今からとても楽しみです。
さて、新潟芝コースの名物レースと言えば、開幕週に行われているアイビスサマーダッシュ。競馬ファンの間でも“直線1000mは外枠優勢”はもう有名です。過去10年(2014年5月3日~2024年5月19日)に行われた直線1000mのレースにおける1~4枠のそれぞれの勝率は1~4%台で、5~8枠では5~12%台。1枠の勝率が1.9%で最も低く、8枠が12.0%で一番高いです。
2021年に1枠1番のバカラクイーンが内ラチ沿いを選択して3着に入ったケースがありますが(いわゆる“バカラクイーン戦法”)、基本的には外枠優勢。ちなみに、過去10年のアイビスサマーダッシュで一番勝率が高いのはやはり8枠で、その数字は16.7%と圧倒的。馬券検討に迷ったら、外枠からチョイスするというのはやはり正解です。
ただし、昨年のアイビスサマーダッシュは外枠に入った人気馬が総崩れで大波乱。2021年から3年連続で1~3枠の馬が1頭以上、馬券に絡んでいます。これは個人的な感想ですが、直線1000m戦も歴史を重ねてきて、騎手たちが内枠に入った際の戦法(内枠から出て、徐々に外へ移動して馬群の中で脚をため、前が失速した残り1ハロンで抜き去るなど)を掴んできているのだと感じています。
あと、1000m戦は外枠に入った馬同士で先行争いが厳しくなりがち。ですから、先行争いに加わっていなかった内枠からの追走馬に展開が向くなどの背景も影響しているのではないでしょうか。
2017年のアイビスサマーダッシュをラインミーティアで勝つなど、“ミスター千直”と呼ばれた西田雄一郎調教師を取材した際、この新潟直線1000m戦の乗り方の極意をこう教えてくれました。