競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「過去最大面積の張り替えを実施した新潟芝、開幕週の振り返り」。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
▼新刊発売のお知らせ
小島友実さんの新刊「馬場のすべて教えます2~JRA全コース徹底解説~」が5月24日(金)に発売されました。ロングセラーとなった前作からの続編、馬場の参考書としてぜひご活用ください!
毎日、強烈な暑さとなっていますが、皆様体調に変わりはありませんか? 私はなんとか大丈夫です。
さて、先週開幕した新潟競馬。7月25日(木)に64ミリもの雨が降ったものの、26日(金)正午の段階で芝コースは良の発表。改めて、新潟競馬場芝コースの排水性の良さを再認識しました。
なぜ、新潟芝コースは水はけが良いのか。それは新潟競馬場が建つ土地は海が近く、路盤が主に透水性に優れている現地の砂でできているからです。また、新潟は一年を通して野芝のみでレースを行うため、オーバーシードをしている馬場のように枯れた洋芝のカスがたまりにくく、これも排水性を高めている要因と言われています。
さらには、夏の開催前に芝コースを張り替えていますからね。その状態の良さも排水性の向上につながっていると思います。
状態の良さと言えば、それが時計面にも表れていましたよね。27日の1R・未勝利戦(1800m)と、28日の1R・未勝利戦(1400m)で2歳コースレコードを更新。27日の関越ステークスでは新潟芝1800mのコースレコードが更新されました。
例年通り、第1回新潟競馬前にAコース部分、第1回新潟競馬終了後にBコース部分、計14330㎡の芝張替が実施されています。昨年は計12580㎡の芝張替を実施したので、今年は昨年より張替面積が多いんです。ちなみに、この14330㎡という張替面積は新潟芝コースにおける過去最大とのことです。
なぜ、今年は張替面積が多くなったのでしょうか。覚えている方も多いと思いますが、今年春の新潟開催は例年より少し時計がかかり、外伸び傾向でしたよね。それは3月が低温だった影響で野芝の回復が遅れ、傷みが広がってしまったためです。
新潟の馬場担当者によると、『その春の傷みに可能な限り対応すべく、施工方法を凝らして張替作業の工期を短縮し、例年以上の面積を張り替えることができました。芝の生育はおおむね順調で、全体的に良好な状態です』とのことでした。
拙著「馬場のすべて教えます2」にも書いていますが……、