競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「高速決着&差しが届いた先週の中京芝」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
▼新刊発売のお知らせ
小島友実さんの新刊「馬場のすべて教えます2~JRA全コース徹底解説~」が5月24日(金)に発売されました。ロングセラーとなった前作からの続編、馬場の参考書としてぜひご活用ください。
先週から始まった第2回中京開催。先週の当コラムでは、「この開催前に芝コース全周内側の張替を実施したので、良馬場ならかなり速い時計が出そう」という内容を書きました。
結果は中京芝2000mで行われた小倉記念が1分56秒5のコースレコード。このほかにも、日曜日の3歳未勝利戦(2000m)で1分58秒6が出るなど、やはり速い時計がマークされていました。
直線部分にエクイターフ級に傷みにくい芝として馬場関係者から注目されている“鳥取産野芝”が張られていることを含め、先週は雨の影響を受けなかったことも高速化につながった要因でしょう。
中京競馬場は7月28日(日)に0.5ミリの雨が降って以降、雨量を計測していない状態で先週の競馬が行われました。先週の中京芝コースの平均含水率は11.675%。2018年から2023年の中京芝コースの平均含水率は12.9%ですから(各競馬場の平均含水率は拙著「馬場のすべて教えます2」で紹介しています)、先週の中京芝コースは乾いていました。
では、脚質別成績はどうだったのでしょうか。先週の芝レースは11鞍あり、逃げ2勝、先行3勝、中団2勝、後方3勝、マクリ1勝。様々な脚質の馬が勝っており、特に日曜日は差しがよく届いていました。そして、1着11頭中8頭は上がり3ハロンタイムが1位。決め手を発揮した馬の活躍が目立ちました。
ちなみに、昨年の3回中京開催の開幕週(2023年7月1日&2日)は芝のレースが13鞍あり、逃げ7勝、先行4勝、中団2勝。上がり3ハロンタイム1位で勝った馬は4頭のみでした。
では、どうして今年は差し馬の活躍が多かったのでしょうか。