競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「今週末から開幕する中山競馬場の芝コース」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
今週から秋競馬が始まりますね。今週末から9月末までは中山と中京の2場開催となります。中京は連続開催となるので、今回は今週から始まる中山競馬場の芝コースにスポットを当てます。
8月28日に中山競馬場へ行って、芝コースを取材させて頂きました。中山競馬場では春の3回開催終了後、コース内側を中心に約24000㎡の芝張替を実施(昨年の同時期は約25400㎡)しています。
今年も猛暑でしたが馬場担当者は、『芝は暑すぎると葉が縮んだりしますが、しっかり散水を行っているので問題ありません。猛暑の影響は無く、全体的におおむね良好な状態。状態が良かった昨年秋と同じくらいです』と話していました。
なお、秋の中山は例年通り、野芝のみの開催となります。取材に行った28日に芝コースを歩かせて頂きましたが、野芝がびっしりと生え揃い、絶好の状態に感じました。
また、開催に向けてのエアレーション作業として、バーチドレン作業の1回目を5月下旬に、2回目を7月上旬に実施。そして7月下旬にシャタリング作業を行っています。
開催前にバーチドレン作業が2回、シャタリング作業が1回というのは昨年と同じです。ただし作業時期が微妙に違うので、詳細は後半で紹介します。
ちなみに、昨年秋の中山開幕週は芝のレースが12鞍組まれ、逃げ1勝、先行8勝、中団2勝、後方1勝。いつもの秋の中山開催らしく、内目を通った先行系が活躍していました。
レース前日の金曜に106ミリ、土曜に2ミリ、2日間で計108ミリもの大雨が降って、芝コースは土曜の2Rまで重。5Rの前に稍重に回復するなど雨の影響が残る中での競馬でしたが、稍重で行われたアスター賞は2歳コースレコードを更新する1分33秒1。紫苑Sの勝ち時計1分58秒0は2018年に良馬場でノームコアが記録したタイムと同じで、2013年以降の最速タイ記録。
昨年の開幕初日は稍重でしたが、芝の状態自体が良かったため、かなり速い時計がマークされていました。
では、今年の秋の中山芝コースはどんな傾向になりそうでしょうか。